きりんのみるゆめ
縞田みやぎ

いたむのも
ごはんを食べていれば
まぎれるのでないかなあ と
考えて
なんだかいつもよりも
かみ
かみ
かみ と
ウインクするように噛んだのです

  たいせつなウインクは奥歯でする
  のです

  知っています

まるで繊維の多いしょくじを
いちにちかけてするみたいに
かみ
かみ
かみ に
まぎれさせてしまったら
いいのでないかなあ と

  いたむのは後でいいような
  気が
  したので

  そうしたのです

顔をあげたらきっと
あんがい
まっすぐに立てるでしょう
しゃんとせなかもくびものばして
両目をあけて



  知っています

  知っています

  知っています



のみこんでしまったら
ウインクをするような顔にも
もう
なれないのかもしれない なあ
と うつむいて

このまま
ねむるまで
かみ
かみ
かみ と
していられないのも
目がさめるまぎわのくらがりに似て
なんだか

くびのあたりに かかるのです


自由詩 きりんのみるゆめ Copyright 縞田みやぎ 2008-03-23 13:26:57
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