春ショパン
石瀬琳々

やるせなさ瞳は映すとおい窓
    夜は流れて青いノクターン


駆けてゆく白い足首白い影
    心に落ちる雨だれを聞く


思い出す人の涙を黙りこむ
    肩の重みを別れのゆうべ


頰よせる日々はバラードなつかしい
    指先でるいつかの詩集


つきはなし逃げてゆく春残されて
    ひとり目覚める葬送の朝



短歌 春ショパン Copyright 石瀬琳々 2008-03-21 14:00:03
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