らいこう22(地動説)
れつら



もしかしたら
体操着にむしり付いた草色の滲み
それが好きだったのかもしれませんね

ちかくにある明かりは 忘れがちですが いつもあぶないのです
ぐんぐん伸びた背たけ
そういえば電球にあたまをぶつけて
すこし やけどをしました

わたしたちはいつも
いっとうあぶないところに行きたくて

からからと燃えるゆうやけのおもいで
それでもまだ足りなくて
外に出るとよかぜ
色をうしなったままの街はひたすらにやさしいのに
ひとたびかがやきだしたら
きっとまた いろどりに殺されてしまうのに
わたしたちはいまでも
いっとうあぶないところに行きたい

おひさまがしずむころ
なくなっちゃうんじゃないかって泣いて
おひさまがのぼるころ
なくなっちゃえばいいって泣いて

草のにおいにしずみながら
からだはもう、まみどりで
鼻のしたをこすったら
もう失くしたにおいがして


たぶん
もう 背が伸びることはないんだけれど
わたしたち、おひさまのまわりを周るころになっても
まだまだ道なんてものがあるって思っていて
まだまだ前なんてところにいけると思っていて






自由詩 らいこう22(地動説) Copyright れつら 2008-02-20 14:28:29
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