ポエトリーリーディング(3)
れつら

ポエトリーリーディングを、する。


前に。
私たちは生活する。


2008/01/16 学科控室にて
ここ、料理人とか欲しいわー

ああ欲しいねー Mとかにやらせたらええんちゃう?
あとね。簡単なもん売ってほしいよね
生活できるよねー笑
あとスクリーンがそこにわーって
で、こっちの上にさ
プロジェクターやろ?笑
あと家政婦な。笑
そんでこう、コタツ
ええなあー笑
全然生活できるわー笑


ない、ということについて話すときに、必ず
あればいいのに という話をするなら、
ある ことによって、ない ときにあった ものがなくなるということだ。
   ややこしい。言い換える。


コタツがあったら、コタツがあればいいのに、とは言わない。
車があったら車があればいいのに、とは言わない。
   まあそういうこと。

しかし。


問題1 谷さんは学校まで15分かけて自転車で通学します。
    谷さんは車の免許と車が欲しいと思っています。
    谷さんが車の免許と車を手に入れたら、谷さんの通学時間はなくなりますか?

回答  なくなりません。
    車で通学する時間が残ります。
    それから、通学していたはずの時間が残ります。


問題2 谷さんは通学していたはずの時間で、何をしますか?

回答  さあ・・・なんかするとは思うんですけど




      時間は決して消滅したりはしない。



にもかかわらず、わたしたちは効率を求める。
全然生活できるわー
のために、効率化する。



問題3 ポエトリーリーディングの時間は、効率化する際に消滅しますか?


回答  






わたしたちは効率化したがるが、
わたしたちは効率ではない。
あらかじめ「あってしまうもの」のために、わたしたちは効率化したがる。
もうちょっと仕事の時間を
もうちょっと寝る時間を
もうちょっとお金を
もうちょっとこの気持ちを
        気持ちを?





問題4 谷さんは学校まで15分かけて自転車で通学します。
    谷さんは車の免許と車が欲しいと思っています。
    谷さんが車の免許と車を手に入れたら、谷さんの通学時の気持ちはなくなりますか?

回答  なくなりません。
    車で通学するときの気持ちが残ります。
    それから、通学していたはずの時間になにか感じます。
    寝てなければ。



かつて、
詩に電車や、車や、飛行機やらなんやらが出てこない時代があった。
わたしたちはそういう乗りものに乗ってしまえば、
そのころ、「かつて」で括られたうちの、
何かの時間が消滅するように思っていたのかもしれない。

時間はなくならなかった。
いつまで経っても。

かわりに膨大な量の気持ちが生まれては消えていった。




わたしたちは省略可能な膨大な時間のなかに生きている。

(そしてできれば省略したいとも思っている。)

(同時に、省略したくないとも思っている。
 男にふられたからって一晩泣き濡れなくてもいいじゃない。
 それなのに。)



わたしたちはずっと空洞だ。
 チューブはどれだけ短く切っても中に中空を残している。
そしてその中空の中に何かが通っているような気がしている。
 それをとても好んでいるような気もするし、
 面倒に思っているような気もする。



何か





http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=145538




問題5 谷さんの通学時間はなくなりませんが、
    通学時間中に何がありましたか?


回答・谷さんの場合







ポエトリーリーディングを、します。



(つづく。)


散文(批評随筆小説等) ポエトリーリーディング(3) Copyright れつら 2008-01-17 00:15:45
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