無題12
ねろ

遠い 遠い 冬の国

もし誰の足音も 届かない様な

そんな国が 在るのなら

一人 足跡も無く 消えてしまおう
 
其処に 生きる白くて無機質な 父の木の

固く閉ざされた 蕾の中で

もういちど 赤子に戻って 再生を待つわ

この結び目は 私には 解けない

何があたたかで つめたくて

かわいていたり しめっていたり するのか

私には 解らないよ

ただ ひたすら 明滅と 代謝が 

繰り返されるだけの 世界で

感覚も持たない やわらかで 透明な手に 抱かれて 

灰と鼠色した ブルーを夢に 見ていたいの




自由詩 無題12 Copyright ねろ 2008-02-04 23:15:51
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