盲目
千波 一也


 華やぎなさい、
 ささやきに


背中は砂なのでしょう
どうしたって、もう
無音でいられずに
並ぶのでしょう


嘘でも良いではありませんか
道なき道があなたです

それを飲み込む
わたしです


少しの違いがすべて、ですから
畏れることにも頷きます

が、
やぶれることなど
ありえません

どうぞ、
おやすみください


 そろそろ魔術にしませんか

 ひとつだけ、
 裏切るように
 水音の
 なか

 てさぐりの
 硬さ、を響いて
 満足そう
 に


ゆるやかですね
寒さを運ぶ船出の夜は


浅く
とらわれていようかと
ふけてゆきます

杖のかたわら、

乾きにすがり
瞬きもせず









自由詩 盲目 Copyright 千波 一也 2008-02-02 21:21:10
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【月齢の環】