睦月橋
千波 一也



肩を
すべり落ちてゆくものを
不可能なくらいに
拾い上げるから
忘れておけない
まなざしの青

つないで
必死につないで
自分の口から出た言葉が
たとえ終わりを決めるものでも
別れることを数えていても

はじまってゆく
すべての代わりとなるように
燃やされていた
傷つき慣れていた
ひそやかに
明らかに


 向かってゆけなくて
 空を見上げるあいだ
 目覚めた背中が
 ようやく語る

 ひと言では難しい
 それぞれの思いやりで
 ため息たちが
 白く旅立つ


つかのまの恥じらいの
危うさを名乗らずに
受けとめていた
義務のはかなさ

せめて
確かめることくらいは
離さずにおこうと思う
適切に追いかけて
知ろうと思う


あどけない日々を
時代は細く横たわるだろう


だからこそ
失わないで再び会える
自分が決めた場所として
必ず、睦月に
ひとりずつ







自由詩 睦月橋 Copyright 千波 一也 2008-01-26 21:28:25
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