「風花、みぞれ煮ぼたん鍋」
mizu K

【短歌八首】「風花、みぞれ煮ぼたん鍋」



猪を狩りて山の慟哭 ねずの空から 風花、みぞれ煮ぼたん鍋


かつをがマクドナルドに行きたしと言ひ 釣ざおかつぎてバケツさげ


赤くまたたく 夜空の飛行機 明けを研ぐ 放射冷却のこども


朝日に透かす金色の 麦踏みあとの霜柱 ざくざくと踏む


マフラァでふわふわり 夢みるをとめの 寝床は樹海の枝の先


おしりがないと所在なくしてくるくるするカフェのスツール 繰り言


コオトのポッケで手つないでおあついの 行き先刑務所 あれ手錠


キリギリスたちの夜 あわあわとして カプチーノの泡先のベンズ*




*縫美千代さんへのオマージュ



短歌 「風花、みぞれ煮ぼたん鍋」 Copyright mizu K 2008-01-22 23:50:30
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