AB(なかほど)



赤坂や六本木のある街だと思い込んで
温かい田舎から
運河の走る場所に出て来たのは
いつの事
     だったっけ


見える景色はいつも同じ

ときおりジェットの音が
すぐそこ

すぐそこにいろんな街が見えるはずなのに
ここは
一体ここはどこなんだろう
僕はどこまで来たのだろうか


流通団地の倉庫の屋上から
東京湾花火が見え、
耳を澄ませば

遠くの
 野球場の歓声
 野外音楽場のベース

遠くの
 遠くの
  僕の声

遠くの
 遠くの
  遠くの
   君の声

    君の声



僕は腕を広げ
抱き締めるように
蹲り

僕の港は
ここなんだ

と言い聞かせた








自由詩Copyright AB(なかほど) 2004-06-09 13:44:40
notebook Home 戻る  過去 未来