散歩
山内緋呂子

さらいにきました
年頃の女は
一人暮らしか 男と暮らしたほうがいい
じゃないと
どこか痛いとき
痛いところに布がかかってるか気にしないといけないじゃないか

終わった
いろいろと終わった
草の先が緑
いろいろとまわりに毛
寝そべる
ゲジゲジが 黄色い錠剤持ってこっち来る
ここはアスファルトで
草むらじゃない

トンボつぶした

おいおい擦り添ってくんじゃねえよ
足はモヤシなんだよ
遠くが透けて見える野菜
細い
いくら赤い靴はいたって
電車で二駅
アーチ橋の上が灰色

上じゃない
遠くの青いのは
富士山のすそ野


あなた
じゃあね、またね
と言う人だと思わなかったわ
って
すすき振って
溝に
穂先沈めて
家までまっすぐ
沿道に草

出迎えた犬にかまれる




自由詩 散歩 Copyright 山内緋呂子 2004-06-07 09:40:14
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