未完の夕暮れ、夜へ
たりぽん(大理 奔)
世界とか行方とかについて
疲れてしまったから
無限とゼロの類似性は
数えられないことだと
簡単に片づけてしまう
いつのまにか求め合うことに
せっかちになった二人は
不要になる地平を燃やす
綺麗なだけの風景を
なんども追いかけてみたね
冷たい手が温かくなるまで
つないで歩ける距離が
ただ永遠にできそうな
世界という時間の長さ
なんどもなんども
芯だけは熱くして灯る
ろうそくのように
天を
煤
(
スス
)
で焦がして
吐息で揺らす炎
そんなふうに言葉まで
たなびく
夜の、風の匂いだ
雨が近づいている
捨てられたぬいぐるみのように
こごえないよう寄り添って
小さな軒下を探し
寄り添えばきっと
さびしくはない
せっかちに
僕は冷たい手を探し続け
明日に興味がない、あなたは
未詩・独白
未完の夕暮れ、夜へ
Copyright
たりぽん(大理 奔)
2007-10-14 01:12:39
縦