愛しみ
かのこ

さっきから押し黙ってばかりいる私の
ばかばかしい淋しがりに気付いて
なお不安定な距離感に揺れながら
愛にまかせて微笑っているのはふたり

希望に恐怖が染まる頃
恐怖は色鮮やかに花開いて
枯れることも厭わずに季節が
ゆっくりと進行すること

晴れの日も雨降りの日も
見上げているよ
その横顔にそっと
触れるようにと

その恐怖は希望に見えた
あまりに眩しすぎて
枯れることも厭わないからと
ふたり抱きしめていた


未詩・独白 愛しみ Copyright かのこ 2007-10-12 23:52:26
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