ねむれば秋
唐草フウ

むねには だれかの だれもの むねには
川がながれて
ことばと さえずりは
甘かろうと苦かろうと
橋のざいりょうです

そらにかすりきずのような
雲があって
おもいだすのは
きずをつけられたはずの 「ぼんやり」
苦しみ じつは おいてきた
二人ぶんは二人いないとやっぱり揃わないよ


こわれかけたものほど
愛くるしいもの
だとしたられっかするのだって
ねじ回しとれたって
夜はねむるから
みなねむるから

海をすいだして
そらを掃きだそう ああ
きみのものだったね
全部返すから、わすれてよう
もう休めてよう

こわれかけているあなただったころ
むねの川は流れすぎていたのかな
わたしは影だけおとして
何もいえなかったから
橋がくずれちゃったのかな
化石になっても
ねむったままあえない場所で
もう開けないでね
わるかった、なんていわない もうやくそく


ことしの9月は、ずれこんだから
これからわたしにはきみとのかすり傷が そらから降ってくる
ながれるむねに だれにも知られずに




自由詩 ねむれば秋 Copyright 唐草フウ 2007-09-29 07:12:27
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