夏よさようなら
ふるる

もちろん分かっていたの
もう、さようならなんだっていうことは
あんなに熱くはしゃいでいたのに
最近はすごくよそよそしいし
ねっとりしていた風も
そよそよ
蝉も鳴かなくなって

ほんとうにふっつりと消えた
あのお嫁さんを呼ぶ合唱は
でも
ひぐらしも鳴いていたから
分かっていたの

夏よさようなら
今年もありがとう
お祭りとか
花火とか
海のこと
思い出せた
この気持ち
言葉にしようとしたんだけれど

砂浜でつかんだ砂と同じ
指の間からさらさらと抜けていく
肩越しに振り返るけど
もういない

また、来年も会えるよね





                 「うん」


             


自由詩 夏よさようなら Copyright ふるる 2007-09-07 13:57:11
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