Re:
水町綜助

*いたるところにある給水塔/ちいさな/8月

たとえばこんな狭い
はしごで登る
四角い金網のうえで
果たしても
ぐるりをとりまく
空のもと
擦れすらもしない
僕ときみだったとして
二抱えの立方体に
遮られてしまえば
いつまでも出会いはしない


きみは牛の匂いを探している
僕は線香の匂いが好きで


向日葵は僕が小首を傾げるうちに
そしらぬかおで
似たもの同士を演じて
太陽をのぞむ

はなむぐりにまとわりついた花粉は
向日葵のものか
その亜種のものか
わからないのに
粉だけは黄色い

すべての丘に
日差しはひとしく降り
僕ときみはひとしく照らされて
つかいみちのわからない拡声器によばれて
やはりひとしく集骨をされる

のどのかわき
水を求めている
給水塔を目指すこととかかわりがない
柵にさえぎられて
水を掬うこと





自由詩 Re: Copyright 水町綜助 2007-08-19 01:33:10
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