ロイド、肺まで吸い込む
虹村 凌

君の家に行ってみれば君は食事中で
スパゲッティのソースが唇につきっぱなしで
一瞬だけ僕の顔を見て笑った

ソファの両端に座って「サムライフィクション」を見た
「天国から来た男達」は見られなかった
デッキの故障で見られなかった
だから今度一緒に見よう
泣きながらでもいいから

惜しまれながら死んでゆく英雄に憧れていた
惜しまれながら死んでゆく英雄とは俺だった

陰気な詩人が地球を回し
陽気な詩人が世界を廻す
乗車拒否
成長拒否
着信拒否
接吻拒否
抱擁拒否
デナイアルシンドローム
シンドロームと言う言葉に憧れて

オナニスティックナルシズムマザーファッカー
深夜零時まであと二分を切った時に
一年前の深夜25時の慟哭が聞こえる
マスタードバスタード
やっと君を愛し始めたよ
見抜いていたのかい?

洗いたての髪に口付けると少し怒った君は
それでも寒がるから


上記のテキストはロイド様には届きませんでした


自由詩 ロイド、肺まで吸い込む Copyright 虹村 凌 2007-07-18 00:19:01
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