水町綜助

いつつゆびさきがきみをみる

やわらかい皮膜の中は
どうしたってみずだから

つたってしまって

一本の
跳ねた
よわい針の先までが

とおくゆびさきの
たてるかぜにも
ふるえてしまう

君はぶれている
かつて壊れたライターから
破裂した火が八方にとげをのばして
そのとげに
死にかけの
夏 午後六時半のたいようをみて
振り向いたぼくのように
ぶれている

胸が上下するうちに

うすくひらかれたくちびるから
音がでて

空気をふるわせるたびに
なぞり
うがつ

円を
からだの起伏を
浮かぶ湿度を



自由詩 Copyright 水町綜助 2007-07-12 15:32:41
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