霧の朝、森に帰る
LEO

風が、やんだ

鳥の声を探して
下草に濡れたのは
迷い込んだ足と
慰めの小さな青い花

遠ざかっていた場所へ
私を誘う手は
湿っていて
それでいて
優しいから
触れたところから
私もまた湿っていく
やわらかくて
あたたかくて
懐かしい場所

尖端に
しずくを握って
ひらいた木の芽
葉っぱの匂い
手と足の匂い
私がまだ小さかった頃と
おんなじ、うぶ毛の匂い

木も
草も
花も
みんなひとつに
包まれたその中で
目を閉じて

カッコウの声が聞こえる


自由詩 霧の朝、森に帰る Copyright LEO 2007-05-02 01:39:09
notebook Home 戻る  過去 未来