チアーヌ

みんながちゃんと
よけて歩くような穴に
簡単に
落ちてしまう

気をつけて
歩いているはずなのに
でも
やはり
落ちてしまう

穴の中で
「ここはどこだろう」
「暖かいか」
「寒いか」
「広いか」
「狭いか」
「食べ物飲み物はあるか」

そんなことを考えていると
だんだんどうでもよくなって
それほど困らなければ
穴の中でもいいかと
諦めたりする

これしかないよと言われれば
それを食べるしかないし

暗い穴のすみっこに布団を敷いて
寝るのは案外
落ち着く

穴の中から
星空を見上げれば

汚い壁は見えないから

慣れてしまえば
結構幸せだったりも
する



自由詩Copyright チアーヌ 2004-04-27 10:06:55
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