赤い風船
ぽえむ君

赤い風船は空に向かって上っていった
高いところから見下ろす風景を見て
ハイな気分になっていった
下から吹き上げる気流が
自分の足をどんどん持ち上げてくれる
もうすぐ雲に届きそうだ
すると雲から声が聞こえた
白の中に赤があるのは迷惑だという
上にしか進めない風船は
嫌なことを言われ
気分が沈んでいきながらも
雲の上を越えるしかなかった
すると空から声がする
青の中に赤があるのは目障りだという
風船はならば夕陽をだしてくれと言い返した
空はお前のためにだけ出すことはできないと
風船を見下した
嫌になった風船は意地で宇宙へ出た
風船は星になった
赤い光を放つ星々は風船を歓迎した
風船は上機嫌で宇宙を上っていった


自由詩 赤い風船 Copyright ぽえむ君 2007-04-01 09:48:15
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