小説・疑惑のぽえむ君 (複数人説)
ぽえむ君

「ぽえむ君は一人ではない!」
「えっ、マジでっ!」
「だってだよ、毎日二作とか三作を書き続けて、かれこれもう、
一年以上が経っているんだよ。」
「いやいや、根性があるからなんじゃないの?」
「そうだけどさ、でも複数いるような気がするんだよ。」
「作品を見ていくとさ、古典だの、数学だの、七五調だの、現代詩っぽいの
と、あの知識と形式の広さが一人ぽくないじゃん…。」
「まあねぇ…。」
「しかもその回転が速すぎないか?」
「朝に七五調の定型みたいのを出したかと思うと、夜には全く違う
形式で出してくるよ。」
「単に溜め込んでいたとかさぁ。」
「でも、ぽえむ君には過去作は一つもないんだぜ。」
「確かに…。」
「一つのIDを複数人で分け合ってんじゃね?とか思ったりする。」
「う〜ん、そういうものかなぁ…。」
「特に最初の頃の前後固定がきな臭い。」
「と言うと?」
「前後固定って、一見は制限された形だけど、ある種、ルール化でしょ。」
「うんうん。」
「複数人でそのルールに則ってやれば、複数であることはわからないじゃん。」
「まぁ、そうだなぁ…。」
「あとは複数人の時間差攻撃。誰がいつくらいに投稿するのかを決めておく。
違う人が投稿していくので、形式や作風がバラバラになるじゃん。」
「でも、それって、返って大変のような気がするなぁ。
そもそも何の目的でそんなことをわざわざするんだよ。」
「そこが謎なんじゃない。多分なんだけど…。」
「うん。」
「謎な存在を創り出したいのかもしれない。
年齢も住んでいる場所も、職業もわかりそうでいてわからない。
そんな謎な存在でいたいのかもしれない。」
「なんでまた?」
「みんなに全ての可能性を持っている、そういうイメージを持たせたい
のかもしれない。」
「ふ〜ん。」
「それには当然、一人では不可能なので複数で動いているのかもしれないね。」
「『ぽえむ君』という名前とキャラを作るのが目的なのかなぁ。」
「ああ、そうかもしれないね。」
「で、かく話すオレたちっていうのも複数のうちなのかい?」
「それは謎ということで…。」


散文(批評随筆小説等) 小説・疑惑のぽえむ君 (複数人説) Copyright ぽえむ君 2007-04-01 03:19:16
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