あの日の夕陽を覚えているかい
ぽえむ君

あの日の夕陽を覚えているかい
部活の帰りに一緒に歩いた川の土手を
手をつなぐのはいつも君の方からで
ぼくは何気ない顔をしていたけれど
いつもしっかり強く握っていたね
土手から見える神社の桜が綺麗で
思わず寄り道して二人で階段を上って
花見とお参りしたね
ぼくが賽銭のお金を出そうとしたら
君の方が財布を出すのが早くて
渡された五円玉がきらきら輝いていた
境内には二人しかいないから
ゆっくり桜を見ようよと言ったけど
君は一番いい場所を見つけようと
せかせかと歩いて引っ張る手が
どこなしにうれしかった
なるべく低い枝に桜が咲いているところに
君はぼくを連れて行って
満開の桜の先にある夕陽を二人で眺めたね
あの日の夕陽を覚えているかい
夕陽が落ちてゆく姿を見ながら
ぼくは今でも忘れていない
君がぼくよりも強く手を握っていたことを


自由詩 あの日の夕陽を覚えているかい Copyright ぽえむ君 2007-04-01 21:51:55
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