うすむらさきの 人々が 自転速度で 水平線から
粉末になって 夜になる 太陽が 空にのぼるから
きみは 太陽を掴まえる
緋色の食卓に 寝そべる
女の たおやかな乳房に カメラのファインダーが
ちかづくと 葡萄が踊り 卑猥に色付き 零れる光
ふたつばかり 掴まえる 唾を呑みこむ 汗が噴く
狂った雨にぬれ 器官が 活性する 針の穴の光が
膨張し 花弁が にじみ 次の瞬間には 夜を呑む
木魚が 黙り 極彩色が 光 ひかり まっしろに
匂いたち 下品な舌先で
プラッチックな つるり ひかる 太陽を捉えた時
つるりとした 夜になる 弱酸性の 淡い視界には
三頭の イルカが現れた
くちにふくむと それは
以外にも簡単に 弾けた それは 奇跡的な景色で
きみは迷わず 眼を閉じ
きみも夜に 夜になった シャッター 押したんだ
声を 漏らす 夜だから
赤茶けた 封筒に太陽を イルカが きみに気付き
落として 青空を孕ませ その巨体が 優雅に震え
ほくそ笑んで 封をする きみに ちかづくために
引出のなかに 投函する 絹の海を 舐めるように
宛名など ある訳がない 粉砕する うすむらさき