三月うさぎ
石瀬琳々

春の陽はひとりの心を置きざりに
    雲の流れのさみしい空に


たわいないふとした言葉にはしゃぎ合う
    風を摘む指花を折るゆび


春の日は濃いめのお茶にまっさらな
    ミルクをこぼし光射す午後


はなしてよ離さないでよただ二人
    さめない夢に恋におちても


春すべてやさしくなって赤い目に
    三月うさぎ涙をながす



短歌 三月うさぎ Copyright 石瀬琳々 2007-03-16 14:53:00
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