黒い森
大覚アキラ

乾いた枝を踏んで
分け入ってゆく

ひとり
黒い森へ

木漏れ日と見まごうほど
雨のよに降り注ぐ見知らぬ星座

足元の影
黒々と

獣の踏みならしたあとを
なぞってゆく

奥へ
奥へと

雲ひとつない黒い空に
前触れもなく轟き渡る雷鳴

驚いた鳥たちが
いっせいに羽ばたいて

影だけが
ただ黒々と

黒々とした
足元の影だけを見つめながら

乾いた枝を踏んで
分け入ってゆく

ひとり
黒い森へ


自由詩 黒い森 Copyright 大覚アキラ 2007-02-28 01:56:02
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