かっぱえびせん
とうどうせいら

大きくてごつごつした 彼の手
左手にいつもしている時計の他に
ブレスとか
指輪をひとつだけ
飾ってみたいと思った
きっとよく似合う

今日、
ハンドル握った左手に
初めて銀のブレスを巻いていた
見た瞬間
やっぱり素敵だと思った
この手に惚れて正解

でも
飾るということは
人目をひくということ
今まで わたしだけがみつめていたその手を
他の誰かが見るということ
心配だよ

あたしを抱いた手にそんなもの巻かないでよ

なにも知らない彼は
わたしの理不尽な不安をきらきらさせて
「またね」と手を上げた



寝る前に思い出して
布団の中で海老みたいに
くるくるまあるくなった


自由詩 かっぱえびせん Copyright とうどうせいら 2007-02-25 19:28:17
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