箱入り娘
とうどうせいら

あの人が縁側で
たばこを吸っていた。
たばこって美味しい?
と、私は聞いた。
うーん。
その人はうなって、
「美味しい」ってわけじゃ、
ないんだけどな。
と言った。
癖になってるよね、
と灰皿にくちゃくちゃ押し付けた。


そうか。
もう
なんで吸ってるのか
自分でもわかんないんだ。


たばこが

憎らしかった。


  


自由詩 箱入り娘 Copyright とうどうせいら 2007-02-15 17:57:23
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