LGBTIQの詩人たちの英詩翻訳 しょの1/田中宏輔2
 
以下の方がこの文書を「良い」と認めました。
- 花野誉 
- りつ 
- 本田憲嵩 
- atsuchan69 
- 杉原詠二(黒髪) 
甘いキスと、痛い石を並べるのが、味わい深いと思います。ポケットに石がある、ということで、作者の立ち位置も、意味深なものがありますね。闘争(暴力)と愛が、石とキスになって、傷と欲望が、立ち上がった女の、甘くはない現実を、訴える強さが短い中に効果的に組み込まれており、興味深く読みました。石打ち刑の恐怖と結婚の回避が並置されることで、結婚という夢が安全の装置へと変わってしまう現実が浮かび上がっています。
以下の方がポイントなしでコメントを寄せています。
- 室町 礼
原文
My Lesbian Date with Sharon Stone
Author: Maya Chowdhry

I have stones in my pockets
and when the sea waves bite my ankles
I could drown.
I hear the screams of women
stoned to death under Sharia law,
catching a woman
and throwing stones at her naked breasts.
My instinct tells me
bisexual women
fear the taste.
You tell me
my kisses are sweet
but there is the sour
hunger of women
who take marriage vows
to avoid the stones.

田中翻訳ではわざと誤訳している箇所、
「バイ・シャロン・ストーン」の「バイ」が
二重・三重の言葉遊び(ダブルミーニング)
として機能している。
これは「あ、誤訳みーーけ」と喝采するわたしの
ような者を釣ろうとする罠かと思ったけど、
案外、自分でいろいろ遊んでいるようだ。
しかし、この詩が決定的にダメなのは、
「シャリア法のもとで石打ちにされる女性」
というショッキングなイメージを、西洋のレズ
ビアンの葛藤を強調するための「舞台装置(背景)」
として利用している側面があり、これは、
他者の悲劇を自分のアイデンティティを確認する
ためのスパイスにするという、典型的な
知識人層の「特権的な視点」です。
石打ち、剥き出しの乳房、叫び声……。これらは
あまりに記号的で、そこに生きる個人の具体的な
複雑さが削ぎ落とされています。「政治的に正しい
主張」をパッケージ化して提示する、いわゆる
「お決まりの物語(Lazy Narrative)」に陥っている
という批判は免れえない。また、
「バイセクシュアルの女性は(石を、あるいは
真の愛を)怖がって保守的な結婚に逃げる」という
描き方も、コミュニティ内でのある種の偏見を強化
する政治的メッセージになりかねない。
そういう意味では、お決まりの特権的エリート知識
人の思い上がった被害者ごっこ詩であって、"ほんとう"
には何ひとつ抵触していない空疎な詩といえる。
でもまあ、こういうひとたちは言葉だけがきらきら
していれば、その裏で何人死のうが苦しもうが、
エリートの特権的なブローチである詩!をみせて
きょうもワインを飲むのであった。
おお!まさにシャロンストーンだわ。

!بر سنگ نه، بلکه بر دل حک کن
(石に刻むのではなく、心に刻め)

---2026/02/06 17:10追記---

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