吊り橋の真ん中で二人は懐中電灯を消した
月も山の木立に光を隠した

手を延ばせばそこには異性がいた
何時も顔を合わせている相手だったが

不意に訪れた二人だけの世界に戸惑って
互いに黙っ ....
その遠くない昔
南に安い島があったよ
熟れないマンゴーの実
渡り鳥も気づかない
それは青い人が見捨てた島だよ
きっとさよならを告げたのは波
※ココニ、オイデ、アル、ココニ、 ....
義理でもらうチョコレートの黒さ 爪先で弾く夏
くちびるに影法師
背中のロンド
ラムネ壜に閉じ込めて

水の匂いのする靴音
いいえ あなたの声色
雲間に擬態する日だまり
いいえ あなたの胸元

飛び跳ねた水の中 ....
サラッとしたワインの水感に そんなつもりでは無かったのだが 安いからなと独り言

一粒一粒 ていねいに
大地の祝福を受けた 柔らかな皮膚の中に有る夢を取り出す

ゆめ

お酒飲む夢…見て ....
森の奥から聴こえてくるその声は、

鳥でもなくましてや風でもなく。

とても心地良く、ただ、惹き込まれてゆく。
遠い日々の想い出は
端からゆるやかに欠け落ちて
ときめきや痛みばかりが
消え残る

懐かしい山々の稜線は
暗く沈殿していく記憶の底で
鮮やかな結晶となって
溶け残る

彼方を眺 ....
 

何時の頃からか詩が化けている
病身の助けになればと書いてみた
介護詩は気味の悪い怪語詩に
看護詩はよく解らない漢語詩に
理学療法詩はまさかの自爆消防詩だ
イガ栗養蜂詩になりたいと打 ....
角を曲がると私が消える 忘れ去られた庭に
突き刺さる太陽の痛み
去年の夏のひまわりのお墓
誰に知られることもなく

なつかしい小鳥たちも
黒い森へと帰っていった
この庭を愛した人も
閉ざされた扉の向こうに眠る

けたたましい山羊の蹄が頭上を通過する
夕べの取引先からのメールが
全て獅子唐に変わっていた朝だ
二、三日前から不穏な空気が送電線を伝って来て
この朝の微睡みの中
それは形づいていったん ....
木星に片想いしている猫が公園のベンチ 平和な殺戮は淡々と行われる
青臭い血の匂い 寡黙な絶叫
ゆるやかな風は心地良く運ぶ

住居を追われ逃げ惑う虫たち
ピンポイントで狙いを定める
鳥たちは戦闘ヘリ

うららかな陽射しの ....
少し横顔を見せただけで
思わせぶりに去っていく夏

雨が 家々のトタン屋根から
ライラックの葉の一枚一枚から
信号機の黒ずんだカバーから
夏を洗っていく

雨が 夜更け ....
神様がいたりいなかったりする そもそもを喉仏が止めている       不幸の扉。
扉自体が不幸なのか 扉を開く者が不幸なのか
     それは、 どっちでもいいんじゃない。
      だって 入れ替わり立ち代わり
扉が人間になったり 人間が扉になっ ....
「水の中の六月」

錆びた鉄の味のする手摺を伝って
空っぽの水槽を満たそうとする早朝
浸水された浴槽の縁を滑らないよう歩く
生まれた時から水に溢れていた




「駆け落ち」

 ....
 今夜の月は何か変だ

と 思ったその時
小さく ひびが入り
――欠片が落ちた
何かが動いている

 えっ ひよこ?

一生懸命
殻をつついて
転がりながら
可愛いらしい姿が
 ....
目をそらされたのが分かった 鬼のおめんつけて豆投げ合っている 爽やかな初夏の朝
コーヒーショップの窓の外では
スズメ達が噴水に集まって
小さな翼をシャンプーしている
音大行きのバス乗り場では
客はバスの屋上に梯子で登り
ピアノを楽譜初見で弾かない ....
笑い死にさせる方向の殺人鬼 *壱*マダナイへの手紙

「あの猫の名前はマダナイっていうんだ」と、教えてくれた人がいた。
ああ うわさは聞いたことがある。
明治の文豪の家に 飼われていたという 噂だった。  ....
「夏の空気が
彼の似姿になって
見えるものよりも
見えないものを覗かせる


夏は
懐かしいことも
哀しいことも
それから
思い出したいことも
呼んで来てくれる


彼と見 ....
ゆで卵じゃなかった 薔薇が月を包み新しい星になる みんなの寝しずまるのを待って
腕をきるので
みんな寝ない
みんなの起きるのを見はからって
眠りにはいるので
みんな起きない
だんだんできてゆく
柵のそと側へのがれてみると
そこはぐるぐ ....
義実家に洗脳されて提灯花 見える世界を描くのか、見える世界を読み解くか、あるいは創造に徹することか。

再び、三度がはっけよい。

私は、どこぞで落とし前。

ようやく元にバックアゲイン。

横文字たまには意気 ....
左屋百色さんのおすすめリスト(345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
淀む- イナエ自由詩7*13-7-8
オウム- アラガイ ...自由詩9*13-7-7
義理でもらうチョコレートの黒さ- 北大路京 ...自由詩313-7-7
mermaid- 佐東自由詩10*13-7-6
ガラス瓶の惑星- ぎへいじ自由詩13*13-7-6
シャ・リオン- ヒヤシン ...自由詩2*13-7-6
星座- nonya自由詩22*13-7-6
詩人の孤独死- ただのみ ...自由詩31*13-7-6
角を曲がると私が消える- 北大路京 ...自由詩813-7-4
忘れ去られた庭- めれんげ自由詩8*13-7-4
どろたぼう- 佐東自由詩9*13-7-3
木星に片想いしている猫が公園のベンチ- 北大路京 ...自由詩813-7-1
草刈り考- ただのみ ...自由詩24*13-7-1
夏の横顔- Lucy自由詩22*13-6-25
神様がいたりいなかったりする- 北大路京 ...自由詩1013-6-23
そもそもを喉仏が止めている- 北大路京 ...自由詩413-6-20
自転車になる。——田中宏輔作品コラージュ詩- こひもと ...自由詩6+*13-6-19
六月の朝に寄せて- 佐東自由詩11*13-6-19
宇宙ひよこ- ただのみ ...自由詩27*13-6-18
目をそらされたのが分かった- 北大路京 ...自由詩5*13-6-18
鬼のおめんつけて豆投げ合っている- 北大路京 ...自由詩513-6-18
プレリュード- 壮佑自由詩14*13-6-17
笑い死にさせる方向の殺人鬼- 北大路京 ...自由詩713-6-16
あの猫の名前はマダナイっていうんだ- るるりら自由詩20+*13-6-15
トムソーヤー卿- ゴースト ...自由詩4*13-6-10
ゆで卵じゃなかった- 北大路京 ...自由詩11*13-6-10
薔薇が月を包み新しい星になる- 北大路京 ...自由詩613-6-7
スイッチ- はるな自由詩613-6-7
義実家に洗脳されて提灯花- 北大路京 ...俳句113-6-6
美術- 松元奉久自由詩313-6-6

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