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遠く
離れたままで
聴こえない
聴くことのできない
あまりにも
薄くのばされた夜
わたしたちは
南回りでまたたいている

天球儀は
魚眼レンズに切り取られ
森の陰影に
ふりがな ....
1.

○月✕日
今日は朝が来なかった
うちで一番早起きの祖父が
起きて来なかったからだ
その日は一日中
「おはようございます」を
誰も口にしなかった



2. ....
1.

荒田電装の
スレートの屋根に
砂を
まきながら
夏の午後が
とおりすぎてゆく

猫背の遠浅が
満ちてゆくように




2.

大量に捕った
ショウリョウバ ....

潮の香が
心地よくいざなう午後は
大抵の白い壁に
透明のバス停が浮き上がっていて
そこには潮流の到着時刻が

【珊瑚時】
【シオマネキ分】
【ゾエア秒】

海洋性の点字で記さ ....
爪先で弾く夏
くちびるに影法師
背中のロンド
ラムネ壜に閉じ込めて

水の匂いのする靴音
いいえ あなたの声色
雲間に擬態する日だまり
いいえ あなたの胸元

飛び跳ねた水の中 ....

けたたましい山羊の蹄が頭上を通過する
夕べの取引先からのメールが
全て獅子唐に変わっていた朝だ
二、三日前から不穏な空気が送電線を伝って来て
この朝の微睡みの中
それは形づいていったん ....
「水の中の六月」

錆びた鉄の味のする手摺を伝って
空っぽの水槽を満たそうとする早朝
浸水された浴槽の縁を滑らないよう歩く
生まれた時から水に溢れていた




「駆け落ち」

 ....
一.

雨あがりの きみの靴は
つま先が いつも
虹のうまれる方角を ながめている



二.

黄のバイエルを
途中でなげだしてしまった
きみの
メゾピアノで吐く息が
ス ....
薔薇の蕾をなぞる指先で
あなたは
わたしの静脈の中の
青い花びらを
一枚一枚
ていねいに燃やす


薄く伸ばされた
午後のページをめくる
白い重なりは
丸みを帯びた雨の切っ先 ....
しののめ
泣きやんだ雨と別れて
焦げ目のついたトーストの耳を
甘噛みする
(余韻だけの部屋)

逆さまに沈む 朝の底辺に
ひっそり と
しがみついている
(ちいさく おどる ひか ....
左屋百色さんの佐東さんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
秋の耳- 佐東自由詩1213-10-7
early_morning- 佐東自由詩6*13-7-29
午後のスケッチ- 佐東自由詩6*13-7-12
海まで遠く離れている- 佐東自由詩7*13-7-11
mermaid- 佐東自由詩10*13-7-6
どろたぼう- 佐東自由詩9*13-7-3
六月の朝に寄せて- 佐東自由詩11*13-6-19
初恋- 佐東自由詩11*13-4-21
春の午後- 佐東自由詩4*13-4-11
朝ぼらけ- 佐東自由詩2*13-4-10

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