街の喧騒に負けないように
大きな声で叫びつづけた
まわりが大急ぎで進んで行くから
似合わない早足で歩きつづけた


聞き流してきた やさしいささやき
見過ごしてきた かわいい野の花
 ....
コンクリートの塀に添って
浅く掘られた排水路には
緑色の水が
日照りの夏も
凍てつく冬も淀んでいて  

水中に浮遊するべき
ボウフラ・ゾウリムシの類いも
泥中にたむろするミミズの姿も ....
庭にゆりの花を植えると病人が絶えない
そう教えてくれたのはあなただった。

家長がほいほい死んでしまうから、とも言ってた。
そして笑いながら、赤黒い球根を掘り返した。

秘密を知られている ....
あなたの手にする
てるみーという不思議な棒は
香の煙をもくもく漂わせ
熱を地肌に{ルビ擦=こす}りつつ
体の痛みを和らげます

私の妻が
顔をしかめた腰痛も
止まらなかった咳さえも
 ....
それにしても
グレード4という言葉には
激痛が走る

君は笑いながら言った
「俺の詩も書いて欲しいな」

本気か冗談かなんて
わからないけれども
君の気持ちがわかるなんて
そんな事 ....
.
隣の部屋とのあいだの四角い窓に
また指人形の顔がのぞく
あいつはなにか言いたいことがあると
こうやって人形に言わせる
けさはコナンがメガネごしにこっちを睨んでいる
セーラームーンでない ....
小舟のようだ
夕闇を漕ぎ進む
君だけが
それを孤立と呼ぶのなら
力を込めて
一漕ぎ
ふた漕ぎ
頑なに握る
黒錆びた銀のオールの先から
反転しながら
零れる飛沫は
やがて発光する蒼 ....
その目が好き
その目が好き
その{ルビ目目=め}が透きとおり‥
じっと据わったその目にとらえられる

ふたつのレンズ
ふたつのシャッターホウル
そしてもうひとつのレンズはあなたの胸に
 ....
覚えたての縦笛から
頼りない汽笛のような音が
飛び出したから
思わず笑って
私は手をふる

どこかへいくの?
またかえってくるよ

音を作るこどもたちが
今でもほら
とても楽しげ ....
入学したての小学校の教室の机に
ひらがなで名札がついていた
その席に座ったら
ひとりぼっち
と風がささやいた

家に帰ると
オコちゃん
おやつがあるよ
と母に呼ばれる
近所の子ども ....
  静脈血が 三日月の光を跳ね返しながら
  ながくほそい道を決められたとおりながれてゆく
  運命はそこかしこに石のように置かれ
  時々、砂をかぶって見えなくなる



   ....
              131124


ひぃーふぅーみぃー
ひとさし
なかゆび
くすりゆび
3本指を押っ立てた
一刺し100円
消えいりそうな声 ....
  きょうが土曜日なのか日曜日なのか悩みながら
  くわいという言葉をgoogleで検索する
  そうそうこういう形だったなとつぶやいて押すi-Podの再生ボタン
  ショパンの作った可 ....
尾崎豊の歌詞のなかにあったことば

何にしたがい何を愛するのかかんがえていた

評論家や傍観者ではない自分

ちいさくてもほんとうの塊を掬う事


こころの網の目をとぎすませて

 ....
こんなことを昨日から考えている

診断の結果異常のないはずの子供が

なんらかの障害をもって生まれてきたら

なんらかのミスでそんなことが起こってしまったら

ぼくならどう思うだろう
 ....
スープ付きの秋はとうに横切って 手にしたスプーンの冷たさに思わず手を離してしまった


ありふれた夏、紺色に吐き出された雲のなかでバスに押し込まれた午前七時 見上げる彼女の表情は水色 ....
表情の少ない
甥と姪が泣いている
眼を腫らしてはにかんでいる

泣くことなど想像もつかなかった
山男の義兄が
もう少し生きて欲しかったと泣いている

葬儀の場は
涙の大きなプールで
 ....
ペットボトルのごみの日
中身(心)はもうとうになくて
キャップ(顔)やら
包装(洋服)やらを
捨て去ったら
みな
潔い裸になった
とても清々しいごみの日には
カラスさえも
素通りする ....
ラジオから
音楽が流れている

朝の光が窓から差し込んで
世界がうんと美しく見える

女らしさや、男らしさが
ちりぢりばらばらに散らばって
混ざり合ったその向こうの
いや何にも混ざり ....
MRIに写った骨に
ほんの少しの ヒビ在り
しばし見入る

ヒビは歌わない
ましてや笑わない
責めたりしないし
冗談も言わない
財布の心配もしない
後悔もしない
原因があって
結 ....
枕が変わった 天井の地図も変わった
独り暮らしの寝室から
鼾の合奏する五人相部屋の寝室に変わった

その間に世間の便りは
うねりの激しい潮騒となっていた
看護師の足音に神経を消耗され
ま ....
君の胸の音を聴いている

瞳を閉じれば浮かんでくる
電車がゆく
車輪の音は確かなリズムを刻む
無機質でいて
それはなぜか温かい
からだじゅうに
張り巡らされた
赤い線路を
休むこと ....
あっちの銀杏は黄色いぞ

まだ汚れていない光だから

黄色い葉っぱの影にゆこう

午前の大気は清冽だから

黄色い銀杏の真下にゆこう


ミセストランポリン

普通に働いている

無愛想に朝早くから
 ....
陽のあたる書棚 憩う一羽の本

タランチュラのような手が二つ

美しい表紙を捕まえると

隙間なく閉じられた頁に太い指が滑り

弛緩した貝 白いはらわたよ

青く刺青された文字は星 ....
最初は無骨で地味で
冴えない靴だと思った

わずかに白い糸の縫製が丁寧であること
靴紐の穴が登山靴風に六角の鋲が打ってあってしっかりした外観なのと
黒地に白いソールのアクセントのバランスがよ ....
土に還れない落ち葉は
一枚一枚
くっきりと形をとどめたまま
美しい標本のように
雨の舗道に貼りついて


幾度も
踏みしだかれ
やがて晴れた日の
風に
粉末となって
舞い上がる
雨が窓を叩いてる
風が夜をかきまぜている

遠いところから
押し寄せてくる
怖い記憶に
目を覚ます

かたわらに幼子がいた頃は
守らねばという決意が
こんな時私の背筋を支え
薄闇 ....
愛とか
愛に似たものとか
愛と呼びたいものとか
愛したいものとか
愛しても届かないものとか
愛したらいつか届くんじゃないかと思うものとか
付箋をつけた愛とか
血糊みたいにべっとりした愛と ....
しゃけたらこ おにぎりばくだん投下するシンジゲートの朝は忙し

しみじみと昔の恋がよみがえるように便座に熱戻る朝

カシミアはさぞ美味しかろうよ 虫食いの穴に悪態を吐く

秋空の雲の流れる ....
職場でりんごをひとつ貰った
婦長の実家が青森のりんご農園なのだ

あっちゅが
「丸かじりしたい!!」
と言うので、洗って手渡すと
にこにこして持って行った


「食べ終わ ....
月形半分子さんのおすすめリスト(174)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風に吹かれて- 藤原絵理 ...自由詩814-7-9
オセンエキ_あるは_過去に作られるべき詩_- イナエ自由詩10*14-7-9
ゆりの花、いちじくの実- 犬大好き自由詩6*14-7-8
不思議な棒- 服部 剛自由詩414-7-8
連れて行かないと約束して誰か- 小川麻由 ...自由詩5*14-7-8
ぶっつけ未詩1- Giton自由詩2*14-7-8
熱帯魚- Lucy自由詩11*14-7-7
めⅡ- Giton自由詩1*14-7-2
楽隊- そらの珊 ...自由詩1914-5-6
二つの名前- 殿岡秀秋自由詩1214-1-1
水のながれ- 草野春心自由詩413-11-24
消えるには少し速い- あおば自由詩10*13-11-24
きょうはなんようび?- 草野春心自由詩213-11-24
小片- 梅昆布茶自由詩1113-11-24
ぼくなら- 吉岡ペペ ...自由詩1113-11-23
ベビーベッド- ayano自由詩313-11-19
葬式- ……とあ ...自由詩22*13-11-19
とうめいな容れ物が収集を待っている- そらの珊 ...自由詩2613-11-17
朝の光- うめバア自由詩12*13-11-16
ヒビいった- そらの珊 ...自由詩15*13-11-15
時の端っこ_(八)- 信天翁自由詩413-11-15
真夜中の耳- そらの珊 ...自由詩1713-11-14
銀杏並木- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...513-11-13
朝の読書- ただのみ ...自由詩21*13-11-12
靴のはなし- 梅昆布茶自由詩1113-11-8
蝶になる日- Lucy自由詩24+*13-11-8
窓を叩く雨- Lucy自由詩19*13-11-8
Lover,Lover,Lover- そらの珊 ...自由詩16*13-11-8
めいぷる- そらの珊 ...短歌1113-11-7
リンゴの丸かじりの仕方- 鵜飼千代 ...自由詩24+*13-11-5

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6