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心は曖いちいさな海で
寄せては返したがっている
愛してない
(あなたを愛していない)
それが白いブイのように
波間に泡立ちながら
にぶく 在る
めらめら壁が
燃えているというのに
くまたちは眠っている
5月も天辺間近
夕暮れも薄く伸びて
暑すぎる夕暮に草いきれ
もう
答えがでる
くまよ
燃えつきる壁よ
わたしは ....
非常にたくさんのものが
(ほとんどあらゆるものが)残っていた
スプーンもフォークも、ぴかぴかなバイクも
時計も、携帯電話も
空気が
かろうじて光をのみこみながら
浮遊している
ね ....
今世めちゃがんばるから来世はきれいな亀の甲羅になりたいな
かみさまよ
いない世界の数合わせさせられて
伸ばした髪がせんぶ枝毛
責任とってよと言いたいとこですけど
指が5本ずつあるのとか
....
あかるいバスにのって
あかるいまちをゆく
肌にひっかかるような四月をぬけて
風がつよいので
往来の恋はみんな片付いてしまった
ゆるい靴紐
空があんまり白いとおもったら
端 ....
意味はきらきらふる星だし
正しさはもえる草原で
寝息は世界のかぜ薬
あなたの頬がやわらかいうちに
知ってほしいことがたくさんあるけれども
なにひとつ教えられることがない
だからいつ ....
春、また
海のない街で
想いで腫れた胸のうちはまだ
ことばにならない
ばらが枯れ あじさいが枯れ
百合が枯れ 菊の花が枯れ
それでもまた 蕾がふくらむ
風が行き 雨が落ち
....
せまい巣箱で
愛を買い
そして死なせた
原液に
浸っていく翼をみて
いやだと言ったのは
誰だったか
それとも
愛だったのか
ひとかたまりのきょうが
三和土でふるえている
ドアは開いてるというのに
もしかして、きのうも
ふきだまりみたいなこの部屋の
どこかに
きえかけながらいるのかな
きのうも、あし ....
春だし煙草が吸える場所はどんどんなくなるし
取りこわし多々 街の自我崩落
もっと詩を書いてよ
泣いたりわらったりして詩を書いてよ
枯れながら苦しんで書いてよ
ひかりがひかるみたいな当然さで詩 ....
タクシーは次々くるから大丈夫だよ
凍った蘭
時間
でもまだ寒くないし
小さく受け付けて林檎赤いシャッターの閉まるさま まぶた
つめたいね
泣いて、ひかりは増えた
増えてもたりないけ ....
うつぶせの 街は夜
わたしはとけて
中指のつめだけが
床にのこった
そのうちに春が来て
夢がながれる
ここにいた爪は
むかし 女のかたちをした
生き物だったと
約束が わすれられ ふるびて かわきながら
そこにあり続けるのを しっていた
バス停みたいに でん とつったって
おたがいに これからも
わすれられ続けるのだ
犬の絵の毛布が
....
からだをさかむけて
ゆうやみを聞く
このさきにそらが
あるとして、
だれも届かないとしたら
空はだれのために
くれている
すきだった
ものの名前を
おぼえている順に忘れていく
....
水色が
ながれてあおくなり
思い出を思い出していた
あなたのひたいを
光がとおり すぎて いく のを
窓があり 扉がある
世界には取っ手がついてなくて
うまくひらかない心の代わり ....
ままみて とむすめがいうとき
まぶしくて世界はとてもうすい
ままみて このせんがいたい
というむすめの 指さきに
奇蹟みたいに細くするどいきずがあり
あー これは
花、きずだよ。
と ....
わたしのキスのするところ
壁のない部屋 ななめのランプ
やぶれて可愛い女のこ
寝息のかげに沈んだ言葉
分別されたメッセンジャー
料金所では小銭が足りず
たりない夢を吐きだす獏
遠くに ....
あげよう 甘い
の
を
鈍行は夜を
過去と
それ以外 に
わける
根のはえた
過去は
痺れ
いつか
わたしが
意味を捨てるまで
次の
駅
まで
(甘 ....
ゆめはつるつるとつめたくて
わたしには夢だとわかる
何度めかの夢で
そのうち終わるのだということも
あるくわたしが
真っ直ぐ行くとしろいさるすべり
もしも曲がれば あかいさるすべり ....
いったいこの夜の誰が
朝をつれてこられるだろう
あんなに熱い背中をして
泳ぐみたいに生きたのに
6月のくまみたいに不機嫌になって
木の実や空洞をぱりぱりかじりながら
いくらでも理不 ....
3日目のケーキみたいに
寝ころがってわたしたちは
あまく干からびて
優しさが固まってく
いつかは
いつでも
おんなじ風にしかキスできなくなるんだね
それともぜんぶ
食べてなくな ....
さて今日も花が咲き
往来はあざやかな灰色
卵を割る指に思いが絡まって
( )
シャツを洗い シーツを洗い くつ下を洗い
はがれ落ちる自意識をかき集めてくり返し洗い
....
いぬの紐は赤と白でねじられている
悲しみのつぎに
夕日のようなゼリーをたべて
こぼれながら静かに夜がひかっている
まよったあげく遠回りをやめて
いつもどおりの道でかえる
さかりをす ....
夜
からだじゅうのあなたを摘みとりながら
指はあおく湿っている
記憶はうすくひきのばされて
ところどころやぶけながら
いつまでも種を蒔きつづける
朝
おもたい夢を湯舟に投げこんで ....
しーちゃんちの壁は砂壁で
さわるとちょっと手についた
しーちゃんのなかにチェーンのきれた自転車があって
ときどき走りたそうにタイヤをならしてた
しーちゃんのとなりにいればいつでも傷つくこと ....
食べそびれたナッツケーキ、午後は乾いて吹き飛んで
月や夕陽に紐をつけて散歩させる毎日わたしたちは
もちろんその暇があればすぐ殴りあう
どうしていまごろあなたはそんなに
犬たちの、猫とは ....
わたしたちは 同志じゃなかったか
つやつやとひかる夜空の月をつまんで椀に入れる
愛のような何かを信じて生き続けた
蔓延る雑草のようにありふれて強く
そしてたやすく引き抜かれるものを
....
うすらさむい肌に
あなたがのったとき
わたしはまだ女ではなかった
寝返りの襞に言葉が沈み
朝陽に産毛が焼かれると
夥しい嘘が
たった一枚の真実に包まれて寝転がっていた
あかる ....
捨てられた猫のために
いったいいくつの嘘が必要だろう
きみが飛んでいくほど風の強い午後
覚えたてのからだに
バターのようにしみた嘘
ひと晩じゅうかけて
愛をはがしていく
....
あなたがわたしにひいた線は
しずかに沈んで いまはもう
ほとんど わたしになりました
種から花へ
あるいは花から種へ
その季節ごとにひいた線は
たがいに絡まりながらなお伸びてい ....
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