すべてのおすすめ
なんだかわからない(イチモツ)を持ち、 
浮かない顔で、うす暗い町を漂っている。 
病のような、玉のような、見えないもの― 
コイツを断ち切れたら、どんなに{ルビ晴々晴々=せいせいはればれ} 
 ....
俺は 
俺以上でも 
俺以下でも 
無い 
みじめな俺も、俺。 
時折かっこイイ俺も、俺。 
どちらも、俺。 
ならば? 
悩みの全ては外面上の(夢)であり 
俺は俺として、俺を背負 ....
赤信号が、青になる{ルビ瞬間=とき} 
気づいたら右足はアクセルを、踏み 
車は、動き出していた 

まっさらな明日へ至る 
まっすぐな道を走る時 
ハンドルを持つ 
私の脳は、{ルビ空 ....
誰かを大切に思う時 
心の家に住まう 
何者かの気配を感ずる 






 
え?って思っても 
ちょっと自分のエゴをずらして、さ 
ちょっと相手に合わせてみりゃあ 
案外、うまくいくもんだ 
私は私を{ルビ晒=さら}すように 
自らを日向に、置いてみる。 

天の願いは地へ下り  
自ずと夢は実るような気がしてくる 
(死にたい)と思った青年が 
ずぼり…ずぼり…とふらつく雪道で 
北風の吹くままに入った 
イスキアの家で 
「どうぞ」と置かれた 
初女さんの握るあたたかい 
おむすびを食べた後、ほっ… ....
高層階のCafeで  
いちめんの窓に広がる
扇の街を
ぼんやりと眺めていた 

煙突から 
ひとすじの煙が昇っている 

灰色の煙はしゅるしゅる 
空の青へ  
吸われるのを見て ....
針を手にした(無心の手)は 
今日も、布地を進みゆく 

長い間歩いて来た 
あなたと僕の足跡は、あの日  
{ルビ布巾=ふきん}の遠い両端から始まり 
それぞれに縫われる糸のように 
 ....
窓の外の遠くには 
丘に建つ一軒の家があり 
四つの窓が
目鼻のように開いている 


   □ 
     □ □ 
   □ 


あ、窓から子供が顔を出して緑の風に{ルビ靡 ....
ポケットから取り出した 
懐中時計が、暖かい。 

妻の贈りものの蓋を開け 
秒針の刻む、時を視る。  

僕は今、在りし日の詩人の書斎で椅子に座り 
木目の机上をスタンドの灯が照らして ....
山桜を眺めると、落ち着いてくる 
白い花々は、何処かうつむいているから。 

山桜を通り過ぎると、落ち着いてくる 
派手さは無く、思いをそっと抑えているから。 

遥かな国の方向へ 
さ ....
金の夕陽を反射して 
仄かなひかりを増しながら 
炎の{ルビ矜持=きょうじ}を秘めている 
稲穂の姿に、私はなろう 
寒暖を繰り返しながらも 
季節は、僕等を乗せた舟のように 
羅針盤の指す方向へ 
今も流れているのでしょう 
異国の日本で差別に苦しみ 
生き延びようと闘った果てに  
牢屋に入った外国の人 

地上に出た新たな日々で 
日本語学校に通い始め 
ある日、掛け算の九九を覚えた 

「3×8は ....
{ルビ深閑=しんかん}とした井戸の底で 
今夜も私は、{ルビ蹲=うずくま}る。  

遥か頭上の丸い出口の雨空に 
嵐はごうごう、吹き荒れて 
木の葉がはらはら、鳴っている 

遥か ....
赤・白・黄色の器を 
ほわっと開いて 
ちゅーりっぷが咲いている 

通りすぎゆく人々の上に 
そっとそそがれる 
天の歌を受け取り 

嬉しそうに 
細い茎を揺らして 


 ....
あなたはそこに 
じっと佇んでいる 
ひとりの貝 
そっと口を開いた奥に 
光の{ルビ珠=たま}を秘めて 
闇をあまねく照らし出す 
――再び発つ、と書いて「再発」という―― 

    * 

「人間はふたたび起きあがるようにできているのさ」 
いつも眼帯をしてる{ルビ達磨=だるま}診療所のヤブ医者は 
片っぽうの目で ....
晴れた日のアスファルトは 
優しい日射しも、照り返す 

雨の日のアスファルトは  
小降りの粒も、無数に弾く 

土のこころを知るならば 
土のこころを知るならば 

空の言葉は我 ....
渋谷の公衆便所に入ったら 
「ほらおとっつぁん、チャックを閉めて」と 
初老の息子は傾く体の親父を支えて、言った。 

なんとか息子に支えられ 
よたつく親父の背中には 
(いたる)と3文 ....
「あんた、マフラー飛んでるよ!」 

ホームのベンチから立ち上がり、叫ぶ男。 
首を後ろに振り向いて、道を戻ろうとする女。 

ぶおおぉん――… 
ホームに入った電車が視界を、遮った。 
 ....
手にした筆で 
ま白い半紙に ○ を、描く。  

○から世界を覗く時  
自らの高鳴る鼓動が聞こえ…  
今・息を吸うては吐いている
いのちの不思議を思う 
うっとりと瞳を閉じて 
光の石を両手に乗せて 
立っている円空さん   

静かないのちの歓びが 
体の隅々まで葉脈を巡らせ  
行き渡っているようです 

森に佇む木の体  
日向 ....
伊東の老舗・東海館で 
和室の窓外に、ゆらめく川の{ルビ水面=みなも}を 
一羽の白鷺が横切った 

一枚の枯葉が今 
枝先を離れ、ゆらめく川の水面へ 
身を{ルビ翻=ひるがえ}し宙を舞う ....
暗がりの映画館で 
白黒のスクリーンには 
だぶだぶの燕尾服に
しるくはっとのチャップリン 

ふらりと現れた酔っ払いと 
ふとしたことから口論になり 
胸ぐらつかみ、胸押しあい、もつれ ....
今日という一日に数え切れない
(ありがとう)が、隠れている。  

よく晴れた日の夜空に 
いつのまにか姿を現す 
あの星々のように―― 
石巻の仮設住宅に住む 
Tさんに新年の電話をした 

「あけましておめでとうございます 
 今年もよろしくお願いします  」 

「いよいよ来月から 
 津波に流された場所に、もう一度  ....
無精者ゆえに 
手の爪は時折切っても 
足の爪はしばらくほったらかしで 
気づくとひと月過ぎていた  

風呂あがりの軟い爪を 
ぱち、ぱち、と 
広げた新聞紙に、落とす。 
(これを ....
箱のカバーから、背表紙を指で摘み
中身の本を取り出して  
カバーは向かいの空席の、あちらに 
中身の本は目線の下の、こちらに 
置いてみる 

いつか人が(体を脱ぐ)のは 
こういうこ ....
芦沢 恵さんの服部 剛さんおすすめリスト(192)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
悩み解消法_- 服部 剛自由詩313-5-29
重力の在る世界で_- 服部 剛自由詩513-5-29
空_- 服部 剛自由詩613-5-23
霊の家_- 服部 剛自由詩313-5-23
はーもにー_- 服部 剛自由詩213-5-23
日向の祈り_- 服部 剛自由詩513-5-14
いのちのおむすび_- 服部 剛自由詩413-5-11
煙突と空_- 服部 剛自由詩413-5-8
縁の糸_- 服部 剛自由詩10*13-5-6
家の顔_- 服部 剛自由詩7*13-5-6
詩人の書斎_- 服部 剛自由詩8*13-5-3
桜並木の川_- 服部 剛自由詩8*13-4-28
稲穂の人_- 服部 剛自由詩213-4-28
航路_- 服部 剛自由詩413-4-26
愛の数式_- 服部 剛自由詩213-4-26
井戸の底にて_- 服部 剛自由詩6*13-4-16
春の日溜り_- 服部 剛自由詩3*13-4-16
- 服部 剛自由詩4*13-4-16
達磨診療所_- 服部 剛自由詩8*13-4-4
空の言葉_- 服部 剛自由詩4*13-4-1
渋谷の公衆便所にて_- 服部 剛自由詩613-3-22
人間の声_- 服部 剛自由詩413-3-22
円窓_- 服部 剛自由詩413-3-17
光の石_- 服部 剛自由詩513-3-17
百年の夢_- 服部 剛自由詩413-3-13
チャップリンの友情賛歌_- 服部 剛自由詩313-3-13
ありがとうの星_- 服部 剛自由詩813-3-8
希望の芽- 服部 剛自由詩413-3-8
休日の過ごし方_- 服部 剛自由詩4*13-3-3
あちらとこちら_- 服部 剛自由詩4*13-3-3

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する