すべてのおすすめ
零れ落ちた詩を拾い集め

パズルを組み立てる代わりに

初めて出会った場所の記憶を掘り起こす。

(それがどこなのか、悲しいくらい忘れてしまった。)



目の前に居るのは幸せに ....
くるくると回る提燈の灯りの元

笑ったように眠る父が居る。

父の横に座り

口元に耳を近づけて

微かに聞こえる寝息を聞いた1月15日の深夜。

父を挟んで布団を敷いた妹たちは
 ....
ドライアイスの冷たさが

置いた手の感覚を奪ってゆく。

触れていれば・暖めていれば

父は目を覚ますと考えた。

指先の感覚が無くなった手を離してタオルで包み

霜で覆われた父の ....
父が帰ってきた。

白い靴下
プーマのニット帽
それらに合わぬ羽織袴を着て。

「お父さん、格好いいよ。」

母にほめられ
少し照れたように見える父は
布団の中で微笑んでいる。
 ....
花柄の便箋。

「大事なときに、使うんだ。」と

丁寧に取っておいた。

人を出迎え

父を送り出す合間を縫いながら

新しいボールペンで文(ふみ)をしたためる。

ちゃぶ台を ....
「幸せになりなさい。皆で力を合わせ、家を守りなさい。」

四十九日の晩
夢枕に立つ父が私に言った最後の言葉。

晴れた日の日曜日
花びらが舞う広場で
おにぎりを頬張る女四人ばか ....
幾何学カットされた放射状のライトセーバー。
グラスに注いだ水はきらきらと反射をして
虹のアーチを作る。

日の光を全身に取り込んだグラスは
魂の輝きを映し出すかのように
手にする者を無言の ....
お父さんが死んだ日
いつもより輝いてみえた北斗七星。

お父さんが死んだ日
いつもより白く見えた庭の雪。

お父さんが死んだ日
いつもより寒く感じた六畳の客間。

寝ていたはずの猫 ....
特別に購入した特急券が

財布の中でひときわ目立っている。

朝日を浴びて飲む栄養ドリンクが

ラストスパートの合図にも聞こえ

一周する秒針に最後の一枚を託す。

外では帰省客が ....
影送りが

色濃く映る空の下

火葬場の入り口では

これから家を見る妹が

父の遺骨を抱えている。

後から来る私は

父の遺影を掲げ

笑った顔に笑い返し

すっぽ ....
返事の無い玄関先。

「ただいま。」と言って

父の姿を待つ。

去年の今頃は/一ヶ月前までは

奥のリビングから父の歩く気配がした。

今は私から靴を脱ぎ

畳部屋の父の祭壇 ....
奇跡が起こる瞬間を描いて

苦しい毎日を過ごしていたのに

一番の奇跡は

母と娘たちが引き起こしていた。

数年と言われていた父の寿命は

2倍の10年目を数えた後

一つの ....
父が教えとして伝えた物事は
今すぐに理解出来なくても
成長するにつれて
解かる物ばかりです。

何かに困ったとき
どうしたらいいか迷ったとき

父の言葉を思い出して
父ならどうするか ....
父の声が、聞こえなくなった。

「もう、泣くのは止めなさい・・・・。」と

私を突き放したのだろう。

匂いの消えた、フリースマフラー。
折りたたんだ簡易ベット。
もうすぐ手放すファミ ....
父の好きだった物を食べると
思い出す事が多すぎて
(もう二度と食べない。)と
自ら放棄した。

熱々のラーメン。
つやつや光る大皿の刺身。
カラフルなマーブルチョコレート。
一息ついで ....
星になったお父さん。
緑色に染まった大腿骨
熱が残る銀の台。

星になったお父さん。
布団の上に置かれた守り刀
それを手に取り
喉元へ突き立てる。

白く覆われた空が
泣くのを見ら ....
顔を上げると、あなたは笑っていて

私を見つめる瞳は、逸らされることも無く

固定されている。

「ただいま/行ってきます。」といっても

自分の声だけが響いて

あなたはただ
 ....
洗い立てのセーターが
残っていた匂いをかき消して

近くに居るはずの存在感をまた一つ
この世からほおむり去った。

庭先で鳴く猫が
「寂しい。寂しい。」と呟いているようで
荒れた畑の片 ....
父の声を聞きながら
新宿駅9番ホームへの階段を駆け上がる。

「早く帰っておいで。」
という会話を終えて、今年最後の電話は切れた。

(山梨行きの特急切符。)
お金と時間を計りにかけて、 ....
雪が残る夜の庭先。
これから・・・・
帰宅する父を待っている。

妹二人に連れられて
「ただいま。」を言わないで帰ってくる父を・・・・。

(父が眠りに付き、大きく息を吸った瞬間を覚えて ....
刺身を盛り付けると
「うまそうだな。」という声が聞こえそうで
安曇野のわさびをすりおろす。

刺身を盛り付けると
ほくほく顔のお父さんが横に居るようで
馬刺しも別皿に用意する。

「ま ....
父が寄り添う。
父が寄り添う。

喪服姿の妻と娘たちを抱きしめるかのように。

父が手を振る。
父が手を振る。

満開の桜を頭上に仰ぎ
最後の団欒を見届けながら。
昨日まで
温もりを感じた父の身体

今日になって
冷めかけのお茶よりもぬるくなる。

一昨日まで
温もりを感じた父の身体

今日になって
明け方のこたつよりもぬるくなる。

三 ....
雪が解けた、駒ケ岳の峰。

麓に向かい、流れてゆく水が
悲しみも流してゆく。

不意に通り過ぎた突風が
父からの「がんばれよ。」にも聞こえたようで

南の方角に手を振った。

(生 ....
父の祭壇の後ろに回りこみ
白い布の結び目をほどき
小さなロケットの中に1・2本の欠片を入れた。

「ごめんなさい。ごめんなさい。お父さんごめんなさい。」

近くに居て欲しいと願い
いたず ....
最後を惜しみながら、父の顔に手を置いた。

最後を惜しみながら、閉じた瞼と睫毛に触れた。

最後を惜しみながら、聞こえるであろうはずの耳に話し掛けた。

最後を惜しみながら、車を見送り
 ....
カランカラン・・・・。と、骨が笑う。
カランカラン・・・・。と、骨が笑う。

「それは父がよこした、私への返事。」

問いかけても
話しかけても

手のひらに置いた骨を握り締めても
 ....
ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。

ダイニングテーブルに、私ひとり。

ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。ぽつん・・・・。

時刻は、夜20;00過ぎ。

硬くなった肉を ....
何かあれば心で語りかけ

父の姿を探すようになった。

残された教えを守り

地道に生きよう。と

父に感謝をするようになった。

(死にたい。死のう。)と思い始めたとき

父 ....
父の額に手を置いて

硬く冷たい頬をなでながら

最後の言葉を贈る。

「ありがとう、お父ちゃん。ありがとう。。。

次もまた、お父ちゃんの子供に生まれたいなあ・・・・。」

風に ....
夏美かをるさんの梓ゆいさんおすすめリスト(77)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
恋文。- 梓ゆい自由詩215-5-9
妹二人。- 梓ゆい自由詩315-5-9
枯れ枝。- 梓ゆい自由詩515-5-4
夫婦。- 梓ゆい自由詩315-4-23
最後の手紙。- 梓ゆい自由詩215-4-23
父のお願い事。- 梓ゆい自由詩115-4-20
真夏の家族。- 梓ゆい自由詩715-4-19
お父さんが死んだ日。- 梓ゆい自由詩415-4-18
朝もや。- 梓ゆい自由詩215-4-2
煙。- 梓ゆい自由詩315-4-1
花吹雪。- 梓ゆい自由詩415-3-31
軌跡の後。- 梓ゆい自由詩315-3-30
父の教え。- 梓ゆい自由詩315-3-28
形跡。- 梓ゆい自由詩215-3-28
chikara。- 梓ゆい自由詩315-3-27
星になったお父さん。- 梓ゆい自由詩415-3-16
笑顔。- 梓ゆい自由詩215-3-16
形見分け。- 梓ゆい自由詩315-3-15
年末年始。- 梓ゆい自由詩115-3-15
待ちわびて。- 梓ゆい自由詩215-3-15
食卓。- 梓ゆい自由詩515-3-10
無題。- 梓ゆい自由詩315-3-2
今日になって。- 梓ゆい自由詩215-3-2
月命日。- 梓ゆい自由詩415-2-27
49日。- 梓ゆい自由詩315-2-24
惜しみながら。- 梓ゆい自由詩315-2-24
手のひら。- 梓ゆい自由詩215-2-23
ごはん。- 梓ゆい自由詩215-2-7
よちよち歩き。- 梓ゆい自由詩115-2-7
ありがとう。- 梓ゆい自由詩715-2-3

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する