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僕は散歩でよく会う
その人の名前を知らない
顔見知りなので
すれ違えば挨拶ぐらいはする
でもその人の名前は知らないのだ



僕は15歳の初夏に
初めて見た絵に描かれている
その物 ....
オオヨシキリは
カッコウに托卵され
自分たちの子供を殺されて
なぜ自分より体の大きいカッコウの雛を
疑わないのか

実は
オオヨシキリは
途中で気が付いているのではないかと思う
 ....
自分は誰のもの

自分は自分のもの
自分のために
自分の意志で動き
自分の気持ちで考える
自転車でひとり散策する自分

自分は誰のもの

自分は家族のもの
家族のために
自 ....
血のつながりの有無などは関係なく
子供の保護者としてこの社会に登録した者は
個人であれ行政に携わる者であれ
社会に監視され続け
何かあればすぐに疑われることが正しいと
覚悟しなければならない ....
鳥は羽ばたき
車は車輪を回転させ
互いに併走し
時を追いかけ
滑らかに太陽に向かう

羽ばたきと回転
鳥も車も
全く異なる動きで
自分のリズムと歌で
滑らかに太陽に向かう

 ....
僕は
罪のない
ハエトリグモを殺した
昨夜のことだった
酔っていて覚えていない
今朝
丸めたチラシに叩き潰されたハエトリグモを発見した

もし
ハエトリグモではなく
バッタだっ ....
若稲よ
一途にのびる
若稲よ
晴れの日も
風の日も
雨の日も
迷わずのびる
若稲よ
境遇を嘆くことなく
使命を忘れることなく
ただ ただ 
一途にのび
生きる

若稲よ ....
現場の製造のトラブル対策について計算する
私はオペレーターでもエンジニアでもないが計算する
力、空間、時間について感じながら
私の思考は原液バルクの中に溶けていく
私は充填ノズルで液ダレする液 ....
車窓から見える
取り残された小さな雨雲
遙か上空には羊雲
下から覗き込みながら
西へ西へと私の視点が移動すると
小さな雨雲は立体的に体を見せながら恥じらう
そして雨を降らす間もなく
すぐ ....
湖で
平たい小石の水平投げ

6度跳ねて沈む石を想像して投げた
3度跳ねて沈む石
未来と今で遊んだ

3度跳ねて沈む石を思い出して投げた
2度跳ねて沈む石
過去と今で遊んだ

5 ....
今晩一緒に飲もう
妥協しない責任感と
妥協できない責任問題
抱え込む難問奇問
偏頭痛なんか薬に任して
真面目に一緒に酒を飲もう
俺は人間が一番ややこしくて好きだから
きっと
俺もや ....
 今度の新商品の香りです

ベルガモット?
でもこれは
紅茶の様な香り


そうかアールグレイ…

もう20年は経っただろうか


  今日もアールグレイよ
  少し元気 ....
そろそろアサガオを摘心したい

少し可哀想で
それに
自然の育ち方じゃないから
きっと
アサガオにしてみれば僕のエゴ
だから僕は
アサガオと妄想でコミュニケーションした


ヒョ ....
無実の者を巧みに陥れた男の
偽りを隠ぺいする行動は
あっけない結末だった
縊死も轢死もなし得ず
笑ったような顔で出頭する男の
みじめな偽り隠ぺい行動
そんなニュースを見ながら
あれこれ考 ....
数秒間の家族愛の出来事

何気なくテレビを見ていて感動した
猛犬に襲われている幼児を助けるために
その猫は猛犬に体当たりした
そして
逃げる猛犬を数メートル追いかけ
すぐに幼児の元へ ....
詰めが甘いな
将棋だったらもう詰んでるぞ

何てことはいつも言われ続けていて
マトッリクスに配置された理屈に囲まれている

将棋だったらもう何度も詰んでいるのに
僕の人生は続いている
 ....
家に帰るなら右折車線に入ってUターンだけど
ハンドルは切らない
Uターン禁止のオレンジ色の春

今日はユレルカレルをリピートでずっと聴いている
ボリュームはうるさいくらい上げて
アクセルは ....
リビングの照明カバーの中に黒い小さいものがある
多分小さい虫の死骸
当分蛍光灯を交換しなくていいように
LEDの照明にしたのに
1年も経てばこんな状況

何でお前ら
明かりを求め迷い込む ....
愛がほしい
信頼がほしい

積み足しで
満たされようとする
こころ

でも
それは
きっと
違う


ずいぶん前に
母に云われたことを思い出す

何かをしてもらいた ....
工場のてっぺんで鳴くセキレイ

緑と潮の朝の風

田んぼに映るセピア色の富士山と雲

遠くにいる昔の仲間たち

限りなく近づきたい

そう想う


季節はこんな近くにいるのに ....
ちょっと個性を出したくて
手紙に一工夫


娘が生まれたときに
内側に折った袋綴じで手紙を書いた
毎年ペーパーナイフでひと綴じだけ切って読んでもらうために
7歳まではお母さんに読んで ....
久しぶりだ
何の変哲もない
白い細いストローを手にするのは

では さっそく

ゆっくり引っ張ると
ストローは伸びる伸びる

うん いい感じだ

端っこの方は歯を使って満遍な ....
踵を軽石で擦っちゃダメだよ
もっと硬くなるから
生物って傷めつけると
もっと自分を守ろうとして
防御強化するからね
強烈な垢擦りだって擦った後はスベスベでも
何日か経ったら角質層はもっと厚 ....
とうとう左手小指の爪半月が
消えた

何の不具合もない
誰も知らない私の体の変化

どうでもいいことだ
でも
こんなことでも
ずっと憶えている
自分にとって
どうでもいいこと ....
ピシパキよ
濁ったものが気になるんだ
濁ったものが嫌いな分けじゃないけど
濁ったものがそのままなのが気になるんだ

ピシパキよ
濁ったものが沈殿して澄明な上澄みができることや
貝や濾過器 ....
今日は
晴れてくれて
窓は全開
ほのかな潮と
草のにおい
洗濯物から漂う柔軟剤の香料も清々しく
戸締まりする気になれなくて
遠くの小型飛行機のエンジン音を聞きながら
まったりと
やじ ....
18歳の君の春は
新しい生活の始まり

知的障害を持ちながらも
厳しい自立を自ら課し
家族と離れ
グループホームで暮らし
工場で働く

そんな君の切実な悩み

そして
性欲
 ....
いつの間に寝ていたのだろう

まぶしい

もう朝か

目の前に虹がある

壁紙のわずかな凹凸紋様と相まって
まるで絵画のようにかすれて
わずかに揺れているように見える

 ....
だから
直立猿人はマイルス・デイビスじゃないって
チャールス・ミンガスだっつーの

あいつは部室でカセットテープに録音した
直立猿人をよく聴いていた
そんな時のこんな会話を
あいつはきっ ....
僕は書く

それは文字による記録ではなく
文学作品でもない
書いているのは

言葉

自分の考えや気持ちを表す言葉
つまり
自分を言葉で表した
自我像

僕は僕のことを誰 ....
夏美かをるさんのichirouさんおすすめリスト(177)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
チョコレート粉砕機と田中さん- ichirou自由詩12*14-6-10
オオヨシキリ- ichirou自由詩6*14-6-9
自分- ichirou自由詩7*14-6-8
保護者の領分- ichirou自由詩9*14-6-3
羽ばたきと回転は滑らかに太陽に向かう- ichirou自由詩9*14-6-3
僕はハエトリグモを殺した- ichirou自由詩9*14-6-1
迷わずのびる_その心を- ichirou自由詩11*14-5-31
計算の美- ichirou自由詩9*14-5-30
遠近法- ichirou自由詩11*14-5-26
時の不思議に負けたような遊び- ichirou自由詩10*14-5-25
一緒に飲もう- ichirou自由詩7*14-5-24
ベルガモット- ichirou自由詩8*14-5-24
僕のエゴと言い訳- ichirou自由詩5+*14-5-21
みじめな偽り隠ぺい行動と情けない事実暴露行動- ichirou自由詩9+*14-5-20
家族の愛は素晴らしい- ichirou自由詩11*14-5-19
非将棋的人生- ichirou自由詩9*14-5-18
ユレルカレルのビートでUターン禁止のオレンジ色の春- ichirou自由詩5*14-5-14
照明カバーの中の黒い小さいものを見て想う- ichirou自由詩19*14-5-12
母の日- ichirou自由詩1014-5-11
限りなく近づきたい- ichirou自由詩514-5-10
袋綴じの手紙は白銀比で_折り紙の手紙は正方形で- ichirou自由詩414-5-9
ストロー伸ばし- ichirou自由詩514-5-8
踵を軽石で擦るともっと硬くなります- ichirou自由詩9*14-5-6
どうでもいいことについて- ichirou自由詩11*14-5-6
ピシパキよ_この頃_濁ったものが気になるんだ- ichirou自由詩7*14-5-5
ちょっと遅れます- ichirou自由詩10*14-5-4
トリトマの花- ichirou自由詩11*14-4-26
小さな朝のギャラリー- ichirou自由詩9*14-4-20
直立猿人をいっしょに聴けたなら- ichirou自由詩8*14-4-19
自我像- ichirou自由詩1014-4-14

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