すべてのおすすめ
スキヤキ食べに来なさいよ、と入居者の方にまた誘われた。
ぼくは屈んでこのご婦人に笑顔を返す。
ご婦人はもうしかめっつらの真面目な顔になって午前のひかりのなかに消えてゆく。
ぼくの仕事は介護福祉士 ....
命は大切ではない
肉や魚を植物を
食い散らかして
なにをいまさら
体罰が照射して
自殺がこだまする
どう使おうか
この命ちゃん
なあんにも答えなくていい
どう貫こうか
この命ちゃ ....
つかまるまで
なんどもなんども連絡した
やすらかなぽつぽつとした
やわらかな声
それで安心してしまう
それで安らかになれてしまう
地球に隕石が降っている
....
彼女の鼻に
愛に
梅が霞む
夜道に香が
迷い込む
呼吸するように
日本のこころが
きゅんと
夜道に香が
梅が霞む
愛に
彼女の鼻に
....
小学校のとき春のことを
春の感じを
ぱっぷくどんって呼ぶのだと知った
理科じゃなくて国語で
国語の教科書にのってる詩のことばだった
だからこのみずみずしい不安や
ぽ ....
託児所に息子を迎えに行くと新しく来たと思われるこどもにジロジロと見つめられた。
ぼくが肌の色のちがうアフリカ人だからだ。
コンビニの明かりに照らされたりしながらぼくは息子と家路をたどる。
....
仕事?
仕事はよくわからない
何か気が抜けて手につかない
だけど前準備はしたよ
それよりともだちが大変
今からともだちんとこに行ってくる
みんな長生きしてくれよ ....
新宿のマンション建設予定地で11人の白骨化した遺体が見つかった。
この推定4000年前の白骨が、1÷3×3の答えが=0.9999・・・であることと1/3×3の答えが=1であることの不思議の意味を ....
きょうたまたま昔のともだちに会った
まえ会ってから何ヶ月か後に
家で暴れて四ヶ月ほど病院にはいっていたそうだ
それから四年くらい外に出れず
最近また外に出はじめた
ぼくはなんでか謙虚な気持ち ....
痛いか痛いか
一緒だった
痛いか痛いか
自分に聞いた
痛いか痛いか
おまえに聞いた
こころの周りは悲しみばかり
指先までが悲しくしびれた
逃げられな ....
一生いっしょとはいかないかもしれない
だけどおまえが乗り越えようとするときは
いつもいっしょに乗り越えているんだよ
さよならとはこういうものなんだ
次行く場所は、
毒 ....
考えることで
乗り越えたことなんて
たかが知れてる
祈ることで
乗り越えたことのほうが
多いような気がした
理屈は勇気を萎ませる
祈りは勇気を固まらせる
....
いちにちに八十回くらいあのばしょを思います帰ります
オレンジのひかり月のひかり花火のひかり
みどり電車のおと落ちてるセロファン系お惣菜やお料理
愛がたくさんつまっています
....
こころを届けたかっただけだ
何のためにならなくてもいい
ただこころを届けたかっただけだ
受けとってもらえなくたっていい
邪険にされたっていい
あなたを全肯定できるなら
....
やわらかくて数学てきで
魔術てきで優しくて
木洩れ日ぐらい明るくて
モーツァルト369
だれにでもある光みたい
いじめも体罰もなくならないのだ
なくそうとするからふたをするのだ
峯岸み ....
使いものにならないおっさんたちは
肉や骨が引きちぎられるまで叫ばない
痛いよ痛いよと泣き叫ぶより
俺はここにいるよと普通に叫んでいたい
おっさんになってやる
ハッピー ....
深海に生きる魚族のように自ら燃えなければ何処にも光はない
大島渚自筆の会葬者たちへのメッセージがこれだ
中学生のころビートたけしが出ているということであの映画を観に行った
当時の映画 ....
出張先で倒れた
会社のひとにわりと大きな病院に運んでもらった
その間にもお客様からクレームの電話が入っていた
その処理の指示を浅い息でおこなってそこへは明日行くことにした
問題が起こることは普 ....
製造コストを抑えるためには部材や製造方法が標準化されていることが大切だ
そのときその製品が類似品と比べて群を抜くにはいかに市場に適合しているかが重要だ
そう言っていたのは大会社の社長だがこ ....
裏切りには理由がある
理由のない裏切りには寄り添うが
理由のある裏切りには訣別する
それが自然なことなのだ
すべての裏切りのうえに雪が降る
雪はすぐ汚れてそのまま凍りつく
さあ、滑らぬよう ....
1月の夜が遅くはじまる
寄り添うように押し潰してくる
絶望と希望のように
まやかしのように
首をあげてあなたに付いてゆく
雪にすべって照れながら立ち上がる
好きこそ ....
こんなとき言葉はいらない
言葉でとらえるべきではない
とらえてこころを守るべきではい
なぜだかわからないけどそう思う
悲しんで傷ついて荒れたらいい
それがいやならなんどで ....
30年まえ観た映画と再会した
30年まえの日本だ
撮影現場の600キロむこうに
ぼくはぼくの轍を探していた
あの頃の湿度
遊園地の風
蝉のしたの日差し
ぼくはあの頃今よりもひどかった
....
欧州に向かう眼下に
薄くて冷たい鉱物色が広がっていた
女に尋ねると機長に聞いてまいります
しばらくして
シベリアですとのことだった
凍土に冷やされた大気が
そこよりもあたたかな場所を目指す ....
海と空の青がちがうように
ふたりの幸福もちがうでしょう
どちらも青です
どちらも幸福です
それってほんとう?
ふたりの幸福もちがうでしょう
海と空の青がちがうように
パンツ脱ぎなよ
....
奇跡のひと、
とはヘレンのことではない
奇跡のひと、
とはサリバン先生のことだ
私は奇跡のひとではなかった
奇跡を起こすまえに涙ぐむ
私はふるえる者だった
ヘレンは先生に7歳になるまえ ....
愛するひとの愛するひとを
愛する
てっとりばやい愛だ
そんなに一緒にいたいのか
高速道路に夕日落ち
そんなにそばにいたいのか
手荷物からお荷物に
愛する
愛するひとの愛するひとを
すべてのITシステムに信頼を
そんなキャッチコピーを見つめている
すすめセラミックス
そんなキャッチコピーも見つめている
疲れることがおーいーなー
そんなこころを持て余している
ウワサに ....
ポンポン雲が青空に
向かいのビルは墓標です
冬がなんぼか寒空に
墓標は死者の眼差しです
あかるい砂漠が
くらあく湿る
にんげんたちが
くらあく陰る
そうさグッバイ
ポンポン雲が青 ....
星をみたくて
夜風をすいたくて
みんなシーンとしたくて
使命感だけが
ほのぼのと燃えていた
哀しくてなみだより
胸のいたみより
息ができなくなった
....
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