使いにくそうなきつねが
やいやい話しかけてくる
どうやら自分の使い勝手の良さを
アピールしてるようだ
あんまりうるさいので
試しに使おうとしたら
「使うな!」と怒り出した
仕方が ....
いつもふたりは手を繋いでた
いつもふたりは抱き合ってた
いつもふたりは笑ってた
そこにあなたがいて、隣りに私がいた
あたりまえの風景
ふたりの歩幅は同じ
ふたりの口癖は同じ
ふた ....
ゼロバンメにすきといったら
ほれられた。
そのうち白けて
にげられた。
なんもない訳じゃないんだよってば。
それがなきゃ
いちばんだってないんだよってば。
わかんない奴だ ....
とってん
からから
ちまたを
ゆく
とけいと
ぼくの
とってん
からから
ときを
きざむ
ほうそくは
ちょこっと
そくどが
ちがう
ふと
みぎどなり
す ....
俺は兎を探している。
寝坊したので言い訳を考えながら道を歩いた
今頃はたぶん3校時目の途中だろう
肩かけ鞄の中で筆箱がガタゴト、ガタゴトと
何かが足に触れ
振り向くと ....
心も体も逆立って
どうしても眠れない
汗だくになりながら
何度も何度も寝返りを打ち
記憶を掻き毟る
流れる血の色は
見たこともない
どす黒い色で
こんな満月の夜にきっとわたしは
....
もはや目覚めていられないほどのモルヒネが姉の血管を巡っていた
ほんの少しだけこちら側に戻ってきて、彼女は何か呟いた
ラ・ファ・ミ ラ・ファ・ミ
何度も何度も聞き返した僕は、それが「ロバさん、 ....
月にテープを送ろう
これが僕の声だよ
誰かに似てると思うかい
風の速度も知らないし
今日も素面で歌ってる
虫に答えは譲ろう
僕は分からなくていい
悟りは空に任そう
....
降りしきる雨の中
傘もささずに俺たちは歩いた
死ぬほど歩き続けた
けれどそれで
俺たちが死ぬことはなかった
俺たち いい奴だった
俺たち 輝いていた
俺たちは生の肉だった
俺た ....
こときり
それは一片の山が独りの溜息でさらりと崩されていくような!
こときり
それは深海の底の一握の砂が自重で潰れながらマリンスノーの夢を見るような!
こときり
それは小指の爪が出会う麒麟に ....
漢字の
「小」って
お母さんが真ん中に寝て
子供が両脇に寝てる様子に
似てるね
まいばん
そうやって
寝ています
これを
はずしたら
なにも
みえなくなって
しまう
すべてが
ぼんやり
ぼやけて
となりにいた
あなたの
そんざいかんも
つかめない
やみくもに
ふる
わたしの ....
あなたの俯く姿をみるたびに
心は境界線を失ってあふれだす
あふれた黒い気持は夜を覆う翼になって体を飛び出そうとし
白い気持ちは爪を剥いてあなたを捕らえようとする
....
この街は地図に載っているのに
どうして迷ってしまうんだろう
いつも見る夢のイメージで
飛び越えてみようとしたけれど
上手くいかないものだね
今日と明日の境界線は
思いのほか広い
....
呼吸したり
成長したり
引き潮を待ったりしてたら
20億年
あっという間に過ぎた
海底では
あらゆる生物が
地球を
ぐるりとくるんでいる
海はまた
それをまるごと
く ....
水びたしの指で
コンセントに差しこもうとした
叱られた
しらない世界はいっぱいある
目のまえのオーブンの火照りもしらない
けれど追いかけたりしない
食パンにまかせて
いいとおもう
....
雨をよけて駅の構内で
ジッポを売る君
駅構内でのセールスはいけないけど
雨に濡れてひもじそうにしていては
誰も買ってはくれない と
合理主義者の君の哲学はいつも正しい
....
どうでもいいことの流れ着く浜辺で
どうでもいい流木に
どうでもいい曲線に
どうでもいい女のことを思い出す
浜辺で出会ったどうでもいい女が
どうでもいい空き瓶の中で
どうでもいい手紙を ....
朝起きたら
田中だった
田中くんおはよう
よう田中
あ 田中君だ
田中の言うことなら間違いない
田中さんこれ受け取ってください
下駄箱で告白までされる
本当の事を云 ....
鍵を見つけたよ
扉を見つけたよ
鍵穴を見つけたよ
扉を開けたよ
なんてすてきな世界!!
靴を覆い隠す
くるぶしくらいの花たちが
まるで海のように広がって
ざぶざぶと歩けば
蝶 ....
{引用=詩集『カエルトコ』より ;7}
●エデンのリンゴ(イヴ)
それは知恵の実でした
女は今を楽しむことに加えて
明日の楽しみのために我慢することを知りました
けれど傷の痛みに泣き喚く ....
「何故日本には詩を楽しむ人が少ないの?」と疑問に思い、思うまま書いてみました。
この世には、文字を媒体として、私達を楽しませてくれるものがたくさんあります。
歌詞のある歌やマンガやゲーム。小説 ....
遠い国で鳥があの娘を
拾って育てる
鳥はあの娘に名前をつける
あの娘は鳥に名前をつけることを考えている
鳥はあの娘に
おいしいお粥を作らせる
あの娘は庭のいちじくを
鳥にもいで来させ ....
「1r」
いくらがんばっても
lu, lu, lu, lu, lu
そのくちもとへ
「2r」
わたしには
ぉろしあ人の血が混ざってるのよ
と言って出 ....
ししゃもはいいねぇ
そういって親方は
お弁当を頬張り
しわくちゃの目尻が
太陽でいっぱいになる
幼かった私たちは
この蝶をヨツアシチョッチョと呼んだ。
今はもうそんな幼稚な名では呼ばないが。
私たちは誰も大人びた名称を知らなかったのだ。
でも私たちは知っていた。
昆虫は六本脚という ....
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