今ここに熟した食べ頃のバナナがあると仮定する
しかし、そのバナナをあなたは食べることができない
何故なら
そのバナナは仮定の話の中でしか存在できないからだ
例えが悪かったかもしれない
....
誰も知らないストーリー
例えば森から逃げ出す鳥がいるように
例えば売り切れのランプばかり続く自販機
よしかかってる君
誰も知らない
誰も知らない
しゃらん しゃらんと かねの音
ぴーぴー ひゃらひゃら 笛の音
きつねの嫁が ござったぞ
赤やら 青の 旗持って
嫁入り行列 ござったぞ
ちょいとうつむき はずかしそうに ....
佐藤君は思います。
たまには西田君みたいに
晒されたり裏返されたり、
そんな生き方もいいかも知れない。
いくつもの賞をもらっても、
皮を剥がれ焼かれ煮詰まり
透明な堅 ....
みんなが意味が 必要だというから
私も意味をさがして とぼとぼと
下を向いて歩いてみたけど
あれこれと拾ってみても
大切な意味なんて ひとつもない。
だから意味なんて い ....
木漏れ日が眩しくて
僕は手をかざす
良い天気だね
ひとりの散歩は
風が心地良いよ
君と僕がだめになった理由なんて
沢山あるようで
1つしかないんだ
僕の ....
(おはよう朝帰りの魔女が音を立てずに箒を立て掛ける)
昨日の名残は夜行列車でとっくに旅立った
無人駅のサルビアとソーダファウンテンの間には
寝相の悪いちっちゃな神 寝過ごした金星
....
銀河の天秤がゆっくりと傾いて
月がかろやかに昇ってゆきます
夏の星座の中心へです
澄んだ湖面は夜空をうつし
魚が背びれに月明かりをうけて
チカリ、チカリと輝きながら泳ぎ
まるで流星のよ ....
今日から自分をデブだと思うことにした
デブ・・・
そのうち人にも呼んでもらうつもりだが
まだちょっと気恥ずかしい
1.
デブ界に足を踏み入れる
赤ちゃんのような笑顔の石塚
うんち ....
チンピラだ
わたし
声がもう
濡れてる
夏の
アスファルト
熱い
マンホール
開けて
野良猫を
放り込んで
自分も飛び込みたい
人が恋しくて
誰かにしがみつきたい ....
ほんじつ
ちかりょこうへ
ごどうこうさせて
いただきます
ガイドです
よろしく
おねがいいたします
みなさまと
おもいでに
なるような
りょこうに
したいと
おもっておりま ....
ゆうやけ こやけ あかねいろ
かごめかごめの こどものわ
ながく のびてく かげのかず
なんだか ひとつ おおいみたい
なんだか ひとり おおいみたい
みんな しってる ....
ふかい海にいきている
生き物は、わたしたちからは
奇妙なかたちに見えるけど
奇妙だと思わない人もいるだろうし
ミスターチルドレンが「深海」という
アルバム出したときも、
あれはあれで必 ....
大きくひとくくった、全日本夜。が、ひとでいうところの精神的なバランスを崩してつい、朝になってしまいました。落っことしてひっくり返って、くしゃみをするようにくるりくるり。「おはよ ....
少年
いつかなくした自転車の
へこんだ場所を忘れてた
あの子を見ててブロック塀に
ぶつけたときにできたやつ
そうだったね
そこに貼り付けたシールは
昔からの空色で
覗くと雲が浮かんでた ....
街を歩くと
左肩のうしろあたりに
いつも かすかに
さみしさが ついてくる
引っ込み思案だった君は
いつも ちゃんと二人並ばずに
少し遅れて ついてきた
....
水槽のどじょうが
ピチャン、とはねて
しぶきは周辺を濡らす
それが 開始の合図。
眠らないモノの、
眠れないモノたち
の
するすると糸を吐き出しては
せっせと罠をしかけ ....
ふうわり 心地よい うたは
ふと めをつむり 眠くなり
つらぬくような つらい詩は
ぼろぼろ 泣けて 目が霞む
胸のあたり に くすくすと
笑える詩 には 逆らえない
....
マモルの呼吸は光る
学校のうさぎが死んだ日
マモルは自分の呼吸が時々
光の礫(つぶて)になるのを知った
マモルは決して泣かない子だった
おかあ ....
ひつじが鳴いていた
ひまわりが咲いていた
人がいた 好きだった
目を閉じる
陽だまりのなか
明日なら
死んでも良かった
ぼくの肩に寄り掛かる君のrealityは電車の揺れにただただ脆い
「マシュマロのお化けを見たの」「恐かった?」「ううん、とっても気持ちよかった」
ぼく以上に何も持たない君はもう溶けてしまっ ....
ほしまつり きんのほし
つきまつり ぎんのつき
ふえのね たいこ かねのおと
きつねに たぬきに やまねこ いたち
うさぎに りすに むささび てん
どこか わからぬ ....
母方の祖母の雪江さんは
70歳くらいでガンで死んで
お通夜の次の日に突然生き返った
その時なぜか僕1人しかいなくて
雪江さんは自分の死化粧を見て
「えらい別嬪さんやなぁ」となぜか ....
公園の噴水脇に座ると
知らず知らずのうちに
あたり一面真っ青がひろがる。
*
ちょっと、ヨウタ。
あんた私のウサハナのスタンプ、
勝手に持ってったでしょ。どこやったのよ。
....
しゃららん
きみのあしくびについた
すずが 鳴るよ
うさぎの
耳とコンタクトレンズ
きみに似合うのはかろやかなプリエ
チュチュの波が
ひるがえれば
はるのうまれる
....
週末に運ばれてくる
人参くん
牛乳くんに
ラーメンくんは
せまくて ぎゅうぎゅう
さむくて かちかち
みんな凍りつきそうだ
あいつもあの子も
たちまちあばよ
ぼくがスキマから
....
無限に広がる灰色の草原
今日も同じ所で彷徨ってる
問う事ばかりで 答えは見つからない
記憶をたどれば 時間だけ過ぎて
Q&A 誰か俺に答えをください
Q&A 先生もうテ ....
つまみやら肴やらで雑然としたテーブルの上に
さわやかな風が吹いて
突っ伏している中年の
たよりないバーコードが たゆたう
そう、
それはきっと
隣で口を尖らせて
懸命に風を送っている ....
二人で地面に小石を並べる
ひとつ、またひとつ
やがて円の形となり
収束していく始まりと終わり
夏の日
暑いね、という言葉だけが僕らだった
何故だろう
あんなにも
世界がありふれ ....
ストーン・サークルは僕が築いた
まだ北海道がサハリンとつながっていて
その向こうでシベリアと地続きの頃から ずっと
木は朽ちる 鉄は錆びる 文明は廃れる
人は死ぬ
あらゆるものが僕を ....
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