二股をかけた人にも麦の風
初めての親子連弾麦嵐
小満の木漏れ日サカナに変わる朝
毛虫さえ季語になってる人気者
生まれては消え生まれては消え毛虫
空豆のクリームパスタおうち ....
そこで出会い
我が身を語れ
世界を支配して
笑う者も
愛に傷つき
泣く者も
そこで互いに語り合い
己が身を軽くしよう
そして、己を持たぬ者達は
門外で順番を待て
刻々と流れていく時 ....
世界が終わり
一本の樹に
実が成る
世界が終わり
一対の男女は
互いに睦言を捧ぐ
世界が終わり
僕はたった一本残された樹の下で
たった一冊残された本を
気楽に読む
カートでつぎのホールに向かう
カート道には木漏れ日
森をゆくような気持ちになるのは
ぼくの脳がだまされているからだ
カートには木漏れ日
自然はただ素直に存在している
先週も土曜はゴルフ
....
ぼくはわらう
きみもわらう
ふたつのわらいは似ていない
けれどもきみとぼくはいま仲間だ
きみとぼくの痕跡はまったく違うが
たまにおなじ涙をながす
ふたりとも最近猿よりもいささか利口 ....
きみの
美しく長い舌の上
一面に広がるれんげ畑
雪どけの淡い水が
陽を吸ってさざめいている
僕は、そこで
幾つかのたいせつな思い ....
世界は塵
・・・今日の雪のような
僕は傘を差す
君を待って
傘の上には雪
雪の上には雲
そして雲の上には空が
空の上には宇宙が・・・ある
君は僕に会いに
電車に乗ってやってくる
僕 ....
今も
これからも
一生ずっと一緒にいようという言葉は
私をひどく怯えさせる
朝、人々が動き出す
一杯のコーヒーが汲まれ
それは死人のような俺の口に運ばれる
昔はトーストをかじって登校したものだった
今、俺はフランスパンをかじってから出勤する
過去と現在の違いはただそ ....
のみかけのコーヒーにまた水足して待つ午後の日差し
16分音符じゃ足りないと時間まで切り刻むピアノ白い指
白鍵と黒鍵は隣り合わせの不幸だねって笑うきみ
ドアをあけてから遠い時間をあ ....
冷たい月に
雨がふる
とても静かな
音をかなでて
さびしいうさぎは
ぬれてゆく
赤い雫がこぼれて落ちて
時間がゆっくりと
満ちてゆく
そよぐような
何かに揺れる
宇宙のす ....
あなたからの援助で
私は生活してた
自分で働いたお金は貯金し
大事に仕舞った
あなたの援助は
途切れることなく続き
あなたは私の人生を作ってくれた
大病を患ったあなたに
預金を解約 ....
何を
描いてきたのか
いつまで
描き続けるのか
分からない
生き様を
刻もうとしているのか
ただの
石ころ遊びなのか
分からない
突き動かされた ....
四月、僕は
川のある町に
あたらしく暮らし始めた
水をふくんだ日の光を
吸いこむと、眼には涙が滲んで
黄色い床に積まれたままの
段ボールをつ ....
飛んで跳ねて
飛んで跳ねて
俺の好きな踊りを見せてくれるかい?
地面に打ち付けられた屈辱を
取り返すかのようにJUMPING
今夜も川に流れていくのかい
俺の足も洗ってくれよ
その清 ....
「知識の借り物競争」という言葉がずっと頭の片隅から離れない。
実体験を重視して読書で得た知識を軽んじる言葉は、一見もっともらしく聞こえる。しかし読書だって実体験の一部であり、読書によって起こ ....
生温いラブソング
みたいな雨が
無骨な傘を叩く
手頃なセンチメンタル
みたいな歌が
鳥肌にまといつく
南風に押されるままに
よろよろ歩き出す
曖昧な記憶
傷つけたこと ....
君は踊る
薔薇を 菫を 雛菊を踊る
揚羽蝶を踊る
木洩れ日を 気ままな風を踊る
君は踊る
虹を 青ざめた夜明けを 葡萄色の黄昏を踊る
波を 湧きあがる雲を 嵐を踊る
君は踊る
....
眼鏡の奥でながれた涙
ワイパーで弾かれた雨の粒
砂漠に咲く花
とどきそうでとどかないキャラバン
真っ黒に染めた羽根
低い位置で飛んでいる鳥の角度
あのトンネルを潜れば吹いて ....
背を向けて眠る
あなたのかたちを
なぞるかたちで
空洞が訪れ
わたしのかわりに
あなたを奪っていく
シーツの重みを
じっ
とみていると
だんだんと
時間が失われていくのがわ ....
君の目に写るすべてを
君の耳が聞き取る音すべてを
君の鼻が感じる香りのすべてを
そして
君の口から出る言葉すべてを
信じること ....
優しい風が吹き
夢のような景色
変わらない川岸
君と見つめ合う
好きだと君が言う
照れて赤くなる僕
時間だけが過ぎる
何にもない日々だ
抱き合い
接吻をし
髪を撫で
抱締 ....
太陽が右端から欠け始めていた
月が侵入してきたのだ
肉眼ではわからないが
これを使うとはっきり分かった
宇宙のこの運行のように
人もまたさだめられた偶然を
生き ....
朝の冠
光なぞる指
覆い
覆いて
凶事とともに
庭に埋まり
花露の熱
打ち寄せる音
寒い光の底から出て
雑な緑を集めている
昼の明るさ
何も無 ....
まちあかりがにじんでいる
考えることが
日々の暮らしを送るためだけなら
まちあかりはにじんだりしないだろう
ある朝の街に泳ぎだすのは
よろこびか
かなしみか
....
言葉は私の
みみのなかにはない
私のむねに
深いまんなかあたりに
君へおくるために
両の手ですくう
私の言葉よ
ひろいあつめた木の葉のうらは
色々なひかりをはらんで
うま ....
ねえ
これが、
産まれたての時間。
そう言いながら少女が
綿飴をひとつ、ぼくにくれた
まぶしい屋台の{ルビ犇=ひし}めき合う
貧しげな七月の ....
策をねって
近寄りそうな
場所に
わなを張る
なんとはなしに
近づく
雰囲気に
圧倒される
ちょっとだけ
すぐに逃げよう
麻薬と同じ
術中の蝶
{引用=チョコドー限 ....
真実は
森の端に
そっと咲いている花のよう
人がそれを見まいとしても
やはりそれは美しく咲き誇っているから
一日の終わりに
脱いだ
ぬけがらが
いくつか並んでいる
命がけで
脱いだわりに
その佇まいは
くしゃみ
ひとつほどの
可笑しさを漂わせている
上手に脱いだ
ぬけがらは
....
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