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夜が来るほんの少し前
西向きの部屋には
橙がふんだんに降り注ぐ
何をそんなに恐れているの?
死ぬ可能性なんて今この瞬間だって
決して0じゃないのに
あなたの存在を
あなたの不在によって
より一層実感する
今此処にない腕や声の
あたたかさを
心で抱きしめる
このあをの中に
何処までも溶け込んでいきたい
自分が居なくなるまで
哀しむことができること自体
充分な贅沢なんだ
涙が流せるなんて
乾き切ってしまえばそれすら出来ずに
哀しみに身を浸して
今日は涙の海に沈もう
古代の骨達は声を上げることもせず
唯待っ ....
潤いを失った唇達は
肝心なことから遠ざかって
雑音を語り始める
大切なものを壊してしまうのを畏れて
何度も云いかけた言葉を空に呟く
最も伝えたいことは今も宙に浮いたまま