すべてのおすすめ
子育ては子どもの頃の復習だ
幼い我が子に
昔の自分を重ねる
ああだったこうだった
言いながら
あの頃見えなかったものが
少しずつ見えてくる
あの頃見えていたものが
少しずつ ....
書こうとしたことを忘れてしまって
空をノックした
誰も出てきてはくれなかった
書こうとしたことを忘れてしまって
目を擦った
視界がさらにぼやけて
手からしょっぱい匂いがした
書こ ....
おしゃべりな君の愛してるは
雲みたいに飛んでいってしまうから
掴めない
だから
君がいくら愛してると言っても
雨のように触れられない
遠い雲を掴むみたいに
虚しい
言葉にするより手 ....
光について語ろうとして
君について語ってしまうわたしを
どうか許してください
闇の中を歩くのは怖い
すくんでしまう足を
立ち止まる背中を
導いてくれる光
君はやっぱり光なんだ
....
水を掬いましょう
ただひとつの命も救えないのなら
水を掬いましょう
掬って
飲みましょう
ただひとつの命も救えないのなら
せめて
この命だけは救いましょう
なにくそと
....
自分の子孫を残したかったから
好きな人の子供を産みたかったから
本能?
老後をさみしく過ごしたくなかったから
家の存続の為
母親になりたかったから…
色々並べ立ててみましたが
どれも ....
離乳食
自立の一歩
母さんのおっぱいは
少し寂しくなります
いつまでも
吸血鬼で
可愛い可愛い鬼で
いて欲しいのは
母さんのわがままです
きみは
....
サラダの水は純粋だ
野菜の涙かもしれない
湧き出たばかりの水は
すべてが純粋に見える
この心は
どこからきているのだろう
今日という船が
昨日という川を流れていく
川の水源には産声があり
川の果てには海がある
だから海は
あんなにも大きくて
少し悲しい
わたしのオールは細すぎて
川の流れは遅す ....
わたしが死んだら
なるべく生き物がたくさんいるところへ
なるべくそのままの状態で
置いておいてください
土にかえったり
誰かの一部になったりして
わたしはわたしの
いのちを分解したい ....
「当たり前」の皮を剥くと
「ありがたい」の餡が出てきた
わたしはその餡だけ食べた
ある日
わたしは餡をこしらえた
一晩水に浸けて
ゆっくりゆっくり煮て作った
傑作の餡を
「当た ....
わたしは海に潜れないだろう
だって、
こんなに小さな雨粒たちにも
頭痛がする
空も飛べないわたしは
地球の肌を
舐めるようにして
生きている
ナメクジに塩をかけた
あの頃は
....
おひさまは
毎日うまれて
毎日しんでしまう
しんでしまったおひさまは
地球の裏側を
じつは照らしていることを
わたしたちは
ちゃんと知っている
しんでしまったひとさまも ....
あいという
あめだまをなめました
なんだかくすぐったくて
とけていくのは
じぶんのほうじゃないかって
ふあんになったので
はきだしました
すこし
こわかった
いぬは
....
玄関は春です
別れと出会いが
毎日
飽きることなく
繰り返されるから
わたしは
いつでも花を飾ります
薄紅色の花が
一番似合うと思います
浴室は梅雨です
温かい雨が降る ....
お風呂から上がると
生き返ります
そのあと水を飲むと
もっと生き返ります
ひだまりで昼寝をすると
生き返ります
そのとき誰かとぎゅっとすると
もっと生き返ります
美味し ....
送り火みたいな花火をした
愛犬は鼻を火傷しそうになり
わたしたちは
少し寂しかった
お盆も終わって
仏様はみんな帰ったけど
納骨の済んでいない魂は
未だここに残っている
....
鳥だって
ああやって生きている
人だって
そうやって生きたって良いだろ?
わたしたちは確かに孤独だけど
孤独に生きなきゃならない
わけじゃないだろ?
優しさの前に立ったとき
どうしようもなく
人見知りをしてしまう
なかなか差し出せない手を
ぎゅっと握って
その手のひらは
汗だくになってしまう
嬉しさの前に立ったとき
どうしよ ....
初めて会う人の顔の真ん中に
或いは胸の真ん中に
おへその辺りに
とにかくその人の中心線に
隙間がないかどうか
確かめる
それは
ある時はボーリングの球くらいの大きさだったり
ある時は米 ....
ゴミ箱を作ったので
いらないものを捨てた
だけど、ゴミ箱はまだ満足していなかった
仕方がないので
最近、増えすぎて
持ちきれなくなった不安を捨てた
ゴミ箱は少し満足したようだった
その日 ....
集めている
草花の歌声を
鳥の時を
空気の鼓動を
水の根を
空の恋を
魚の道のりを
暗やみの夢を
ひたすら
見つけては
集めている
....
子宮から産道を通って思いっきり息を吐いたら
絶望が打ち寄せてきた
だけどまだ、母の温もりを知らないので
知るまでは死なないでおこうと思った
階段を登ろうとしたら
絶望が打ち寄せてきた ....
月曜日
わたしには仕事などない
だけど、うちにばかりいると叱られるから
とりあえず、仕事に行くふりをして
たんぼの畦道をよろよろと歩いた
畦道は細くなったり
太くなったりして
歩きや ....
一生青春、なんて言わずに
人生には
朱夏
白秋
玄冬
とあるのだから
たまには
真っ赤に染まる夏も
白くおおらかな秋も
奥深い黒の冬も
あっても良いな
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