電車のなかで
聴覚障害の君大声で語る
たどたどたどしいこえ
えがおまんかい
なにいってるんだろう
たのしそう
語られている子がうなづく
くすくすくす
ふたりでわらっている
電車のなか ....
もともと
とても
壊れやすいものだったのです
だから
壊れてしまっても
嘆かなくても
よいのです
この世に見える
すべてのカタチについている
蝶番が
壊れてしまっただけなのです ....
わたしのなかで
剥がれおちたなにか
そのなかにある
あかいかたまりのなかの
あかいわたし
剥がれ落ちたわた ....
道の途中で振り返ってみる
長い時間だったのだろうか
それとも
ほんの
まばたきするような
短い時間だったのだろうか
人は人と
すれ違い
時々恋をしては
大人になったふりで
別れ ....
自分も毛糸玉のくせして
プッチは毛糸玉と
戯れるのが好きだった
ふたつの毛糸玉は
所狭しと転がり回り
私は面白がってその糸を引いたものだった
小学生だった私と弟
そしてやっと歩き ....
人と人だからしんどい
どこか遠くをながめながら
君は私に言う
背中をみつめる私
人と人の私たち
一緒の空間に流れる
空気はどんな色かな
君にはみえてるの?
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