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青い水いろの空
公園からはみ出たさくら木
電信柱と電線が
拮抗しながら騒がしかった
世界はじっとしていない
何通りもの風景を
何通りもの異世界を
僕らはただ
奇跡のなかに浮かんで
....
花火は夜空にとどまれない
星のようにはとどまれない
長い時間を見つめれば
星も夜空にとどまれない
地球も宇宙にとどまれない
生まれて消える
それだけなのに
....
ひとはじぶんの考えたいように考える
外部からもらったヒントのようなふりをして
内発的に湧き出たヒントのようなふりをして
ぼくはじぶんの考えたいように考える
淋しい夏の空
それは十度目
秋 ....
雨の日に
モンシロチョウは何思う。
どこでか弱い羽休め
どこで蜜を求めるの。
私は独り
傘の中。
蝶のようには飛べないし
蛙のように鳴けもせず
ただひたすらにあの人を
思って傘を ....
この道は
いまも昔もこれからも
朝も昼も夕方も夜も
悲しかろうと嬉しかろうと
これが今生のお別れであろうと
そこにある
それを平和というのだろう
病にたおれて病をかくして
おおきくお ....
広島と山口を旅した春
26年まえの薄曇りの駅
初めて泊まったビジネスホテル
飲み慣れないスーパードライ
吸い慣れたマイルドセブンライト
深夜番組見つめながら
予定などないあしたをぼんやりと ....
風のち雨のち曇り空
わたしのこころの
お天気です
一つ足りない
忘れていない?
こころの湖面が
ゆらいでたずねる
*
晴れのち雨のち曇り空
のち晴れ晴れさやかな
風 ....
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
ではなくて
ごめんなさい
せめて日英共同開発のあんぱん機関車トーマス号で
春野を親子で車窓の旅のどかなひととき
まさかこの写真じゃ
お ....
静寂の中に落ちる 一滴の夢を
両の手ですくいあげる 私たち
温まって行く互いの胸の何かを
言葉に写すことの出来ない
このもどかしさを
愛という祭壇に捧げる朝
目の前に起きるすべ ....
「バナナツリー」
少しでも腐らないように
バナナツリー
立ちっぱなしが
程好く深呼吸
いつも立ち止まり
溜め息混じりで深呼吸
腐らないよう心がけしてみるが
格好悪さは相変わらずの僕
遠く南国か ....
ひとつの生身である
わたしは
いま
海の声を欲する
この星を覆う
巨大な潮力によって
なんどもなんども
運ばれていく
その声が
遠いきみに
いつか
とどくように
....
「ぼくがろくがつをよんであげるよ」
ツツジの花は散らずに朽ちてしまう
桜の花は朽ちるまえに散ってしまう
どちらにも言えることは
ずっと咲いている花などないということだ
それが自然の原理原則なのだ
それに逆らう生き方を
ぼく ....
日暈が出ている
ゴルフそっちのけで写真をとる
これを見た誰かたいせつな人が
きれいだと感じて
洗われてくれたら
逆光で真っ暗だったから何枚も
何枚もゴルフそっちのけでとる
あ、オレの番だ
影のなかでは
ビールと笑い顔
光のなかでは
自転車と渋い顔
切り取られた
ルール通りの愛
目的地だけが人生だ
そんなふりをして
なにを逡巡している
影のなかでは
ビールと笑い顔 ....
きょう太陽のまわりに
虹が円を描いていたよ
ぼくはそれを伝えたくて
太陽を建物で隠して
写真を撮ってみたよ
会社の人に言ってみたら
外も見ずにこう言った
めずらしいですねって
もう消灯の時間だ
ぼくは個室だけれど消灯は絶対だった
暇だから携帯で詩のサイトばかりのぞいていた
自由だった
あの頃もそうだったか
ぼくは中学生のとき病室に住んでいた
がらんとした冷たい部 ....
避難してきたこどもの入園を拒否するひとがいる
福島ナンバーの車をボコボコにするひとがいる
誰も知らない神様にも届かない
そんな場所で誰がために命を捧げるひとがいる
動物や虫や植物たちはどうな ....