すべてのおすすめ
丘の上の工場から
午后のサイレンが聞こえて来る
いつもそれを待ち侘びていた君
遠くまで行きたくて飛び乗った電車
あれは過去のこと
海を見ていた
太陽は焼け付くようだった?
白 ....
彼 の 夏 に
溺 れ ぬ や う に と 閉 ぢ た 空
無 人 で 回 る
廃 観 覧 車
時折、T字路に立った時に感じる小さな不安
右へ行きたいのか
左へ行きたいのか
そんな些細なことにまで戸惑ってしまう
臆病な自分
雨が
降り続いているので
踏み出すことの出来ないこ ....
白く光る雲が流れていく冬空。
夕暮れの橙色が水色と混じり合って、それは綺麗。
烏の群れが西の空へ向かって飛んでいきます。
帰る場所があるの、良いね。
冬の短い日が暮れるのは、何よりも寂しい ....
空 に 見 つ け た
君 の 羽 根
も う 何 も
考 え た く な く て
唱 え て み た の
「 ア ミ ノ 安 息 香 酸 エ チ ル 」
灰色の冬の木々に
降り積もる真白い雪
夏の間緑に生い茂っていたなんて
想像も出来ないくらいに
冬の木々には色がない
夏に冬の寒さのことは考えない
しかしそれは根底で
あたしを ....
もうそろそろ夢から醒める頃合でしょう。
あなたを包むその殻は
いつまでも守護し続けられるほど強固じゃない。
……判っているのでしょう?
誰もが自分の足で立って
そうして歩いていかなけ ....
夜空の端で光る
冬のあいだ
君はシリウスの子供になる
かじかんだ手をポケットに入れて
足許だけを見て歩く
冬は嫌い
冬は嫌いだよ、寒いからさ
呟きながら
夏の海や{ルビ茅蜩 ....
今日久しぶりに
君の夢を見たよ
もう此処にはいない君
とても滑らかなその声も
少し意地悪なその瞳も
僕はまだ 憶えている
僕たちは何処から来て
何処へ行くんだろう
命の ....
君の手を握ろうとしたのは
風の冷たさの所為ではなく
白い指先がただ心許なくて
僕の傍に繋ぎ止めなくては
消えてしまいそうだからだ
たぶんそれは愛ではなくて
同情 ....
「病院」と云う単語を口にすると、決まってあたしの脳裏には秋の終わりの桜並木が過る。枯れた葉が風に巻き上げられ、足を進める度にかさかさと乾いた音を発て、粉々に散った。手が冷たくて、外套のポケットに入れて ....
カ ン パ ネ ラ 君 の 骨 な ら 返 さ な い 。
殺 し 合 う に は 低 す ぎ る 空 。
夜の隙間に入り込んで
月ももう僕を見つけられない
哀しみは満ち潮みたい
失くなることはないから
今日も僕は 独りで夢をみる
冷たい水に両手を浸して呟く
「みんないなくなればいいのに ....