丘の上の工場から
午后のサイレンが聞こえて来る
いつもそれを待ち侘びていた君
遠くまで行きたくて飛び乗った電車
あれは過去のこと
海を見ていた
太陽は焼け付くようだった?
白 ....
目を閉じて。
両腕を伸ばして。
手が重くなる。
足が重くなる。
閉ざしたまなうらに、
アール・デコ調の紋様。
手が動かなくなる。
足が動かなくなる。
さあ、おいで、夢魔よ、
....
桜
錯乱
咲き乱れ
風に舞う舞う
花吹雪
狂おしく舞え
狂おしく散れ
桜
錯乱
咲き乱れ
闇まで染めよ
夜 ....
きみがまだ少女の頃はぼくもまた少年だった すれ違う駅
きみと向かいあって話した教室が世界のすべてであったあの夏
きみの吸ってたマルボロライトを吸ってみる吐き出す煙が重い七月
....
断崖のふちに
ぽつんと一つ置かれた白いベッドで
僕は目ざめた
僕の上には
途轍もなく青く明るい空だけが
広がっていた
僕はベッドの上に坐ったまま
何も考えられずにいた
すると
空 ....
それは
あなたの優しさ
ですか
あなたを
忘れないための
痛み
静寂の月夜
わたしは
雪虫となり
{ルビ羊歯=シダ}の葉に滴る
朝露に溺死する
時間という
....
彼 の 夏 に
溺 れ ぬ や う に と 閉 ぢ た 空
無 人 で 回 る
廃 観 覧 車
病院の長い待合い廊下に坐って
考えている
私の気はたしかなのかと
時々 呼び出しに応じて
いくつかの個室のどれかへと
人が 入ってゆく
そしてやがてまた出てくる
入ったまま
出てこない ....
おでかけする前に ネコのように
顔をこする 母さん、
世界が恋しいの 左側と右側がばらばら
なのはなぜ
ココアを飲んで なだめる左側
ごつごつ頭 招き猫のパンチが痛ッ
三月の空に誘われて
....
赤い鳥
撃ち殺しても
赤い鳥
食べたい
これ
食べたい
これ
殺して
食べたい
これ
私だけのものにしたい
お気に入りのネイルも爪を噛むことで剥げた
冷たい指先を満たすものもなく
今日の夕刻に死を意識し始める
一方的な負荷に耐えられるだけの強さを
持ち合わせているなら
またわたくしの手を掴んで
....
時折、T字路に立った時に感じる小さな不安
右へ行きたいのか
左へ行きたいのか
そんな些細なことにまで戸惑ってしまう
臆病な自分
雨が
降り続いているので
踏み出すことの出来ないこ ....
私は不幸だわとあなたは呟く
夕焼けが美しかった窓からの風景も
今はただ真っ暗な闇が広がるだけ
不幸だなんて感じた事がないと僕は言う
闇の中に灯台の灯りだけがまたたく
あれは誰かの道標に ....
なぁんにも期待しないから突然に欲望だけを素直に告げる
ライバルを口説きたがるの悪い癖知っております言われなくとも
ねぇ蛇さんわたしはイヴよつややかな知恵の木の実を手にする前の
パソコ ....
許したと思っていたことを
許せてなかった
忘れてしまったと思っていたのに
忘れられなかった
台所で
風呂で
ふっとひとりになる
重ねてゆく日々の小さな落とし穴のような ....
蓮の花青白く燃える
微かな灯りを道標に
ここまで辿り着いたのだ
背骨を軋ませる寒気に
追い立てられるように
ここまで逃げてきたのだ
皮膚の下で
おれの真っ白な髑髏が
刻々と輝きを増して ....
もう10年以上
君のナイフは
ぼくに
刺さったままだ
君が誰かに
サービスしている
その間にも
ぼくの傷口からは
鮮血が流れ続けている
ぼくはナイフを
抜いたりはしない ....
忘れてる憶えていない僕たちはいつからここにひとりでいるの
真っ二つに裂ける桃です落下して蟻がたかって朽ちてさよなら
この場所からもっとも遠いところとはたとえばあなたの微笑むところ
....
僕が君の恋人でなくなって
君からおとうさんと呼ばれるようになってもうどれぐらいたつだろうか
人並みに恋をして結婚した僕たちは
人並みに親になって家庭というものを築いている
僕は君を昔のように呼 ....
なにか?
とあまりにも
涼し気に微笑む君
のせいで
僕はとりあえず
牛乳飲んで
落ち着こうと思う
確か僕は
君の肩に手をまわして
さりげない愛情と
そこからなにげなく続 ....
君にプリズムをかざして
分光する
白い壁に映るスペクトラムは
すべての色がほのかになやましく青らんで
僕をいつまでも
見つめさせている
ほんとうのこころは
ここにはないので
ありきたりに抱き合って
みました
ありきたりのやわらかさ
ありきたりのこえ
恋に
順序はないはずなのに
ここは
ゴールなのですか
....
白く光る雲が流れていく冬空。
夕暮れの橙色が水色と混じり合って、それは綺麗。
烏の群れが西の空へ向かって飛んでいきます。
帰る場所があるの、良いね。
冬の短い日が暮れるのは、何よりも寂しい ....
屋根裏部屋には
消しゴムの標本があるって
かりふぉるにあおじさんが
声高々に自慢してた
その中に
砂消しもあるんやろかと
梯子に右手をかけると
親指がちょとだけ(約1cm)
....
空 に 見 つ け た
君 の 羽 根
も う 何 も
考 え た く な く て
唱 え て み た の
「 ア ミ ノ 安 息 香 酸 エ チ ル 」
灰色の冬の木々に
降り積もる真白い雪
夏の間緑に生い茂っていたなんて
想像も出来ないくらいに
冬の木々には色がない
夏に冬の寒さのことは考えない
しかしそれは根底で
あたしを ....
もうそろそろ夢から醒める頃合でしょう。
あなたを包むその殻は
いつまでも守護し続けられるほど強固じゃない。
……判っているのでしょう?
誰もが自分の足で立って
そうして歩いていかなけ ....
私の「木葉 揺(このは ゆり)」ってペンネームです。本名は平仮名で「ゆり」です。
「ひらがなでいいじゃん!」と声が聞こえてきそう(笑)いや、これ私のこだわりなんですよ。
多くの人の逆の発想。。。皆 ....
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