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 凪いだ水面のしずかさで
 花のように老いてゆく
 女がいる


 さくら
 と よばれた
 ひとりの女は
 ひとりの男の
 妹で


 おまえのよろこぶような
 ....
 気難しい顔で、本を読んでいた
 犬が
 ニッと笑った。
  ――それには訳がある。

 犬の気難しさより
 笑いの
 その意味の落差のほうが
 カクッと おもしろかったのであり
 ....
{引用=

 つめで
 つめを切った
 むしり取るように千切った
 千切られたつめは
 たちまち丸まって
 干からびて
 ちいさく萎びて不要なものになった

  ――そのようにして ....
{引用=



 掠れた息をつくように
 ベッドにそっと
 言葉にならないものを吐いたとき
 その言葉にならないものはすぐ露のように朝の陽にきえた

 あの日のあの雲にはもうであえな ....
 ゆきちゃんは あさ
 かさをさし 長靴をはいて
 雨のなかの花にあいさつする
 話しかける
 おじぎをする
 おはよう さようなら
 きょうなにたべるってたずねている

 ....
   水々の声をきいたことがある


   うめきに似た
   くるしげな
   声にならない
   声になるまえのだれかの


   花々の声をきいたことがある

 ....
   樹木の幹を截ち割って
   樹木がうまれてくる

   ひとを截ち割って
   ひとがうまれてくるように

        *

   きょだいな
   ウ ....
 空にはハエがいる

     *

 ナベブタでハエを捕らえようとする

     *

 からっぽだから空なんだ

     *

 からっぽのなかにはなんでも ....
  耳をすますときは
  手と足が
  とまる


  だれにしたって表情が凝固して
  仮面になる
  手配写真のようにだ


  音がするほうに
  むける
  ....
まーつんさんの石川敬大さんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
さくらの笑み- 石川敬大自由詩1114-5-15
本のチカラ- 石川敬大自由詩14*13-2-26
すてるものはすてられるもの- 石川敬大自由詩1113-2-10
失語症から- 石川敬大自由詩28*12-9-12
ダウンズタウン_is_freedom- 石川敬大自由詩17+12-6-23
音に棲む- 石川敬大自由詩14*12-5-2
千年樹- 石川敬大自由詩13*12-5-1
断章*空はからっぽだ_- 石川敬大自由詩10*12-4-2
たまの春- 石川敬大自由詩27*12-3-11

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