すべてのおすすめ
風は雲を押し流す
雲の願いは
移動すること
あるいは変異

低い雲は
厚く
光を遮って

高度を増すにつれ
透けて
かすれて


雲は迷いだろうか
それとも
願い なの ....
わたしはピクニックがしたかった

母にきくと
いいよと言った
ためておいたおやつを
バスケットに入れて
母が貸してくれたゴザを持ち
野原に行った
靴を脱いで
ゴザの上に座った
飴を ....
ねじれ歪みながら
空を指す木々が
何かを言いたがっているのじゃない

何か言いたくなるのは
それを見ている私

そうやって
ねじれ歪みながらも
空をめざすのをやめないで
吹く風の中 ....
 
うっかりしたり
どうかしていたり
つい他のことで
頭いっぱいになってたり
なんか体調でイラッとしたりして
間違ったことを言ってしまうことなんて
自分いくらでもあるんだから
他人の
 ....
ぱたぱたとひるがえるちいさな二足のズック靴
幼稚園への近道で
つないでいた手を離し
走ってもいいよというと
かならず笑い声をあげながら
細い坂道を駆け下りていった
その弾む後ろ姿を
おぼ ....
白いアスファルトの上を
やわらかい風が渡り
ときおり小鳥の影がすべる
小川の水がきらきらと光る
草が光を透かしながら揺れ
はだかのどろの木も白く芽吹き
細い枝々が一心に空に手をのばす
私 ....
黒板にくりかえし
書いては消されるチョークの文字を
私たちは書き写した

文字は
やがて白い粉となり
先生の足元に降り落ちた

粉となる前に
書きとめなければならなかった
この手に ....
どうしても海が見たくてしかたない時は
海の すぐ傍にまで行くか
それとも
あえて離れた場所に立つ
たとえば山を削った住宅地のはずれの公園
ゆるい長い坂の上から
遠く見る海は
白い岬をした ....
羽化したばかりのモンシロチョウの
おぼつかない羽ばたきが
風にあおられ

じりじりと後ずさる濃い霧の中を
触角も羽もなく這いずる夜も

誰かの仕掛けた銀色の罠に
迂闊に絡めとられる朝も ....
貴方の胸に耳をあてて
静かな午後の小部屋の窓に流れ込み
たゆたう木漏れ陽のような
優しいメロディを聞きたい

そんな願いを
心の闇に深く沈めて
ただ何気なく
貴方の隣に居るだけで
光 ....
初めから
海でないものだったかもしれない
けれど 確かに
涸れた
だから
海だった と
言い張るほかはない
そのようにして 紛れもなく
青空だった
森だった
輝く山脈だった と
 ....
君と初めて
手をつないで歩いた
赤錆びた鉄橋の上の
線路づたいに
まるで世界のはじっこに
流れ着いた人のような気分だった
空は重く
カラスが頭上を何羽も
飛び交い
柱の上からこちらを ....
先生が僕を卑怯者と呼んだ
その名前はおでこに貼りついて
やがて
僕の皮膚になった

月日が過ぎて
周りが誰も気づかなくても
僕の耳には
先生の声が時々聞こえた

先生 僕は先生のよ ....
雪が僅かに消え残った海岸に
揺れているのは去年のススキだ
長く厳しい冬の間
雪に埋もれて立ち続けていた
ススキはいつ倒れるのだろう
既に枯れているのに
命の抜けた穂を振って
いつまで風に ....
風は確かに冷たいのに
午後の陽のぬくもりが
耳に触れた

除雪作業が終わった後の雪道は
目を開けていられないほど
強い白さだ
瞼の隙間で青空も霞む

静けさをカラスが横切っていく
 ....
誰が見送っていたのか知らない
わたしは振り向かなかったから
三月の道をざくざく歩いて行ったから
足取り軽くはなかったけど
雪解けの道が歩きにくかったからじゃなく
涙で目の前がいつも曇っていた ....
傾いた樹々の
細い幹
ゆがむ葉脈のような枝
ひとすじごとに
白く吹きつけられた静寂

明け方の雪原に
立ち上がる
無言の者達の息吹

堅く締まった雪を貫き
亡霊のように現れる
 ....
銀紙をくしゃくしゃに丸めたあとで
拡げたみたい
海面で瞬く無数のさざ波が
煩い

雲から
スポットライトが注ぐ
見えるはずないステージが
現れ

翳む
ぼやける
ぶれる
沈み ....
骨格をあらわに
白い野に立つ

背筋を伸ばし
左右対称に枝を張り

あるいは 捻れ
歪みながら
闇雲に空へ手を延べる

曝け出された履歴のあげく

無防備に芽吹くものを
先端 ....
私がかなしいのは
海が波立つからではない


海が波立っているのは
私がかなしいからではない


あまりに遠いところから注ぐ
あまりにも薄い光を反射して


波がしらのひとつひ ....
季節はずれの蝉が鳴いている

故郷の林
白樺の梢
揺れる枝葉の間から
まっすぐに目を射る日ざし

緑に揃う稲
走って渡る
あぜ道をよぎる夕方の風
「おとうさーん、ごはんですよー」
 ....
僕は何もかも言い尽くした
それでいてどんな言葉も
からっぽなんだということに
気づいてしまった人の様な気分で
さらに 新しい言葉を
青黒く汚れた綿を繋いだ空に
探していた

神様  ....
ブランコを欲しがったのは私
それを父にせがんだかどうかはおぼえていない

どうだ こんな大きなブランコ
どこにも見たことないだろう

校庭にあるブランコよりも
はるかに高い木の柱と
長 ....
ついこの間まで
アンチエイジングな歩き方というのを
こころがけていた

高い化粧品も買えないし
せめて遠めに若々しく見えればもうけと
良い姿勢には自信があるし

さっさっと足早に
目 ....
それはふるふると
震えて 膨らむ水滴のように
壊れやすく

ちりちりと 止むことのない
焼けつくような痛みでもあり

胸を締め付ける
救いようのない憧れだったもの

未熟だった孤独 ....
白いシーツ

白い枕カバー

白い天井

硬いベッド

朝が白々明ける頃には

私の心も
漂白されて

窓に
雪の港
鮮やかな海の青
ひとつの問いが
私の上に落ちてくる
飛ぶ空を失くした
鳥のように

無数の鳥が
私をめがけて落ちてくる
羽のない
石つぶてのように

私が空へ投げ上げた石
虹色の放物線のむこうか ....
誰かが出ていった
後ろ手にドアを閉め
光の紙面に輪郭を焼き付け

誰かが出ていった

窓の外で知らない鳥が鳴き


鍵を開け
重い抑圧から君を逃がし

振り返るこ ....
                   
厳寒のなかで花は枯れることができない
雪をかぶり凍てつきながら
己の色を発し続ける
夢見るように

生きることと
夢を見ることとは違う
 ....
  
雪道を歩く
子どもの頃は
どんな雪道もすたすた歩けた
ふわふわの新雪が積もった道は
心躍らせ 雪を蹴散らし
わさわさ歩いた
湿った雪が積もった時は
足跡をくっきり残して歩いた
 ....
ただのみきやさんのLucyさんおすすめリスト(434)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風に・・- Lucy自由詩8*13-5-29
ピクニック_(詩人サークル「群青」五月の課題「緑」から)- Lucy自由詩17*13-5-28
ねじれた木- Lucy自由詩18*13-5-22
自分お料理は苦手なんだけど今夜はカレーライス- Lucy自由詩26*13-5-14
坂道をのぼると- Lucy自由詩28*13-5-6
晴れの日- Lucy自由詩11*13-5-5
白い文字- Lucy自由詩10*13-5-3
遠くから見る- Lucy自由詩16*13-5-2
風読み- Lucy自由詩12*13-4-29
音楽- Lucy自由詩9*13-4-27
砂漠の風景_1- Lucy自由詩12*13-4-27
ダイブ- Lucy自由詩8*13-4-24
ルピナス- Lucy自由詩27*13-4-9
春のススキ- Lucy自由詩16*13-4-6
待っていると- Lucy自由詩17*13-4-4
見送り- Lucy自由詩11*13-3-30
野辺- Lucy自由詩13*13-3-28
凪ぎ- Lucy自由詩19*13-3-18
冬の木- Lucy自由詩13*13-3-16
かなしい海- Lucy自由詩26*13-3-7
蝉の声- Lucy自由詩12*13-3-1
二0一二年九月のある日、早朝の都市間バスに乗って僕は・・・- Lucy自由詩14*13-2-27
父のブランコ- Lucy自由詩23+*13-2-21
アンチエイジングな歩き方- Lucy自由詩9*13-2-21
私が愛と名付けていたもの- Lucy自由詩16*13-2-18
白いベッド- Lucy自由詩21*13-2-14
ひとつの問いが- Lucy自由詩15*13-2-4
誰かが出て行った- Lucy自由詩13*13-1-28
凍てつく花__ー病床の父にー- Lucy自由詩17*13-1-28
雪道- Lucy自由詩14*13-1-25

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する