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乞食

たった一杯のコーヒーを飲めずにのたうち回っている老人
その瞳の中には険しい眼差しとオドオドした炎のちらつき
言葉を無くした老人は襤褸を纏って道を彷徨う
ぶつぶつ世間への呪詛なのか
 ....
脂喰い猿

彼らに鉱物性の脂を喰わせた

OPECのスペックは
その金でボール遊びに大金をつぎ込む
あの黒い大地という偏見に人攫いを雇い

人攫いにオファーされた子は
契約というリバ ....
夏の雪降る深海の
窓にうっすら映る影
ちょうちん鯨の大口に
飲み込まれたのかマルラメの
思考の中の小宇宙

星々の輝き 極彩は
積乱雲のその向こう
遥か彼方に拡散し
そのまま夢の辺境 ....
場末の神話から時間と空間を引っ張り出して

自分の居場所を作ってはみたたものの
他に追随するものはなく、いつも独りぽっちで、

もちろん光りは射さない

自分のフィールド ....
また、夏が
また、あの光景が見えて来る
田圃の畦道を
母と一緒に歩いている
手を繋いで歩いていく

畦道の陽射しは強く
麦わら帽子の隙間から
頭髪の汗をさす
揺らめく道端
青い稲
 ....
ところであなたの結末は
空に聳える塔の上
さらに伸ばした指の先
白い雲の浮かぶ場所
光の中で交差する
きらりと光る紛い物

ところで自分の結末は
八五番の緑色
赤い豚の急降下
離島 ....
黄昏時の青空に 
遠く聞こえる 唸り声

暮れゆく山の稜線に
赤く響く 叫び声

黒く染めゆく山肌の
静かに震える 樹々の声

天空高く呼びかける
言葉の辛さ 曖昧さ

生きる ....
夏の始まり
山へ向かって
坂を駆け上がり
坂の上の神社から
振りかえった僕の目の前には
静かな港の防波堤の内側
鏡のような水面が見え
防波堤の外側には大きな青い海が広がる
水平線に見え ....
客車の窓から外を見て
景色が後ろへ飛んで行く

しゅっしゅらしゅっしゅ
しゅらしゅっしゅっしゅ


山は青から朱に変わり、
不気味な道が這い回る。

しゅっしゅらしゅっしゅ
しゅ ....
おまんま喰わせてあげると
嘘吐いて 漸く手に入れた
幸せの砂

砂の重みは一人分
風に吹かれてさらさらさらさら

綺麗なべべ着せてあげると
嘘吐いて 漸く手に入れた
幸せの砂

 ....
雨の降る隙間に
がんじ搦めの自分の昨日を見ながら
傘を差して歩いてゆく

良いことなど無く稼ぎは
全て税金か家賃
それと借金の返済
食事代など手元には残らず
それでも生きてゆける

 ....
街の底の暗がりに
今日もジッと上目遣い
月の光の届かない
煉瓦倉庫の一角で
人を脅す生業(なりわい)の
舌なめずりで誇りもなく
動くことすら億劫で
知性の欠片は今何処
物欲食欲性欲と
 ....
二人で歩く梅林は
さくら咲く前 城跡の
猫に導かれて 迷い道
そこだけ陽射しが春めいている

その梅林に入る前
道端を歩く猫を見つけ
その痩せた背を撫で、餌をやり、
猫の道辿り 梅林へ ....
朝の微睡みの中
腹に行儀良く座っている黒猫
薄く開けた眼の先には
彼女の瞳がある
夢と現うつつを行き来するうち
そのまま抜け出した僕の意識は
彼女の瞳の中に落下する
闇夜の風景の中
自分が生まれて初めて見た月光は
生家の隣の空き地に聳える
土手の上の屋敷の樹々
梢の葉の茂る隙間から
サーチライトのように照らされた
幼い自分の心臓を鷲掴みにす ....
物言わぬ駝鳥の目
遙か目の先には地平線がある筈なのだが、
駝鳥は相変わらず地面を見つめせつせと虫を啄む。
せつせせつせと虫を啄む
危険を感じたとき駝鳥は首を長くして遙か遠方を睨む。 ....
 無性に活字の大きい本を読みたくなつた。老眼だから。出来れば薄つぺらい本がよい。根気が続かないから。一五〇頁位が手頃だ。しかも中身が空疎なものがよい。血の巡りが悪くなつて頭まで血が行かないからだ。重要 .... 飼っていた黒猫が突然行方不明
家の玄関の鍵は掛けていた
どこか窓が開いていたのか
窓から見える風景は
空っ風舞う冬景色
街路樹の葉はあらかた落ちてしまい
魚の骨の並木道

ふと見る ....
事を荒立てることが良くないことは
疾うの昔に知っていた。

(波風が立つと居づらくなる)
(昔から知ってはいるが、考えもしなかった)

自分が子供じゃないことも
俺も含めて知っていた。
 ....
棄てられた女は惨めです。
棄てられたことを知らない女はもっと惨めです。
棄てられたと誤解している女はもっともっと惨めです。

女を捨てた男は醜いものです。
女から捨てたことに気づかない男はも ....
? 

玄関扉を開け左壁面 家で一番大きな鏡がある。
その鏡は 不可能な空間ではないが、出入りする者の体全体を映すだけでなく、家全体を裏返す。

鏡の中に空間があるのだが、その空間に誰かが住 ....
湿度の無い風景

明るい日差の中に存在する
明瞭な輪郭をもった影
光量の多さが影に
黒の濃淡を作る

冬の日差を描いた絵画
影は濃淡ではなく
長さを主張する
どこまで行って ....
年の終わりの最後の日

赤褐色の大地に立ち
遠く約束された地に行くことを阻む
北の山の連峰をのぞむ
彼の地の地平線を目指していたはずだが
あまりにも遠方にあることに気づき
今立ち竦んでい ....
師走、大手町に佇む

結論を先に述べれば
大手町は冬が似合う
春は似合わない背広を着た集団がおしゃべりをしながら行き来し
秋には忙しそうに眉間に皺を寄せた人々たちが行き交う
夏はいけない
 ....
My Favorite Things

※演奏できません。
 持っていません。
 でも凄く好きで、
 気に入っている楽器です。

David Sanborn の St. Louis B ....
こと葉って 薄いもんだ だれか言う 
だって 葉っぱだもの と答えるだれか
葉っぱをどんなにつみあげても
きっと だれもほめてくれないよ
ぱっと吹かれて無くなっちまう
 そんなかげの薄いやつ ....
青い穏やかな水面と石で囲まれた護岸壁

ロヴィニ

港町の路地に切り取られた
対岸を望める海の風景
丘から眺める町並みは
オレンジ色の屋根がアドリア海まで続く

小さな小さな箱の ....
ただのみきやさんの……とある蛙さんおすすめリスト(147)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
不安不安- ……とあ ...自由詩12*12-8-28
脂喰いザルの正義- ……とあ ...自由詩8*12-8-21
粋人の午睡- ……とあ ...自由詩10*12-8-16
詩を書く人- ……とあ ...自由詩7*12-8-3
夏休み- ……とあ ...自由詩17*12-8-1
結末- ……とあ ...自由詩17*12-7-24
詩人- ……とあ ...自由詩9*12-7-19
港の絵日記- ……とあ ...自由詩13*12-7-5
汽車の車窓から- ……とあ ...自由詩10*12-6-26
砂の夢- ……とあ ...自由詩11*12-6-22
雨の憂鬱- ……とあ ...自由詩16*12-6-12
あんこう鍋/あんこう節- ……とあ ...自由詩14*12-4-19
梅林- ……とあ ...自由詩12*12-3-27
微睡(まどろ)み- ……とあ ...自由詩12*12-3-16
月光- ……とあ ...自由詩22*12-3-8
駝鳥- ……とあ ...自由詩12*12-2-20
愚痴- ……とあ ...自由詩8*12-2-7
鏡の中の猫- ……とあ ...自由詩24*12-2-2
パワハラ- ……とあ ...自由詩8*12-1-30
棄てられた女と詩人の関係- ……とあ ...自由詩11+*12-1-24
- ……とあ ...自由詩18*12-1-11
年明け- ……とあ ...自由詩10*12-1-9
始まりの物語ー終わらない話- ……とあ ...自由詩14*12-1-1
大手町_一二月- ……とあ ...自由詩16*11-12-31
Sax、サックス、_Saxophone- ……とあ ...自由詩11*11-12-26
生きるって- ……とあ ...自由詩10*11-12-19
アドリア海- ……とあ ...自由詩11*11-12-8

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