すべてのおすすめ
コクゾウムシの一亜種
体長3〜5ミリ程度の
半透明の短躯
頭部に繊毛が生え
触角の役割を果たしている
専ら樹皮の線維などを主食とするが、
近年木造家屋の柱などに付着し
家屋倒壊を招く害虫 ....
頭蓋骨にぽっかりと穴の空いた人は
心にもぽっかりと穴が空いたようで
表情は少ない。
手の震えは、脳味噌の痙攣で
その人の手の震えは、僕の心を痙攣させる

その人の無表情の時間は次第に長くな ....
言葉に表せない思いは
ため息で足元に落とせばよい
言葉に表しても伝わらない思いは
自分で口を開けて呑み込めばよい

いつも思いを言葉で包み込もうとした
言葉に包まれた思いは変色してしまい
 ....
川嶋医院の
門柱までの石の階段を
ケンケンしながら昇って行く
昇った先に待っている懐かしい顔
随分と草臥れたセーターを着ている子や
今日おろしたてのジャンパーが
砂や泥で白くなってしまった ....
薄明かりの中
今日の一日がはじまる
何のことはない
いつも通りだ
いつも通り目が覚め
いつも通りトイレに行き
いつも通り猫と挨拶をして
いつも通り顔を洗い
いつも通り歯を磨き
いつも ....
何年ぶりだろう
二人で食べる黒蜜のあんみつ

手術前のある日の病室

老舗の和菓子屋の前を通り
ふと気づいて買った
お土産のあんみつ

あんみつの中には
紅白の求肥や赤豌豆
漉し ....
正義の上で踊っている我々はどこへゆく

世の中のクレーマーは正義漢だと自分で勘違いしている者が多い。
自分のけちな利益のために暇な時間を使って執拗に抗議しているのが現実的な評価である。し ....
(知人)

友人ではないが、親戚ほど疎遠ではない。

最近は特に犯罪報道でよく見かける

匿名性を条件で被害者との関わりを能弁に語る者

推理小説の真犯人ではない。

現実の世界で ....
夏の陽射し

猫の影くっきり

耳をぴーんと立て

猫の影くっきり

二匹の影が重なり合う

世界中の地面や壁に

夏の陽射し

猫の影くっきり

尻尾をぴーんと立て
 ....
とりとるたらら
暑い中
とりりつぅたらら
汗を掻く
かすむ目の中
景色が揺らぐ
あたまがゆーらゆら
もやもやで
街路がユーらユら
ゆらいでる
並木がユーらユーら
ゆらいでる
身 ....
空を目指していた筈の
こころの滴が山の頂きにぶつかり、
雨となって地上に降り注ぐ

雨は山肌を通して幾筋もの小さな流れとなり
あるものは地中で濾過され清烈な泉となって地上に現 ....
日常の時間という縦糸と
家族と付き合いの横糸
そこに堆く積まれている
それぞれの人生
ちょっとした布のほころびに
突然落下しそうになった君

何年ぶりだろうか
いや、三五年ぶりに手を繋 ....
朝は晴れ晴れと
色とりどりの花の中歩く
季節六月、紫陽花の花

朝は晴れ晴れと
君を見て花の中を歩く
季節六月、紫陽花の花

言葉を交わす余裕なく
六月晴れ渡る梅雨入り前
紫陽花の ....
時報に電話する
天気予報に電話する
都会の昔の孤独を歌った
Dylanはすでに年老いて
顔も見ないで携帯画面
交換される文字の羅列に生活する
今の孤独を知りようもない

声で発ッせられ ....
あの時代に街を彷徨う男は
夜の気配のする街角で
剣玉を所在なげに操る
夕暮れの街灯の下
足を組んで剣玉する男一人

街灯から降り注ぐ
まやかしの光の粒は
ぼーっとした色を男に与え
髪 ....
異臭のする道に耳の長いネズミ
齧歯類は常に齧る。はを減らさなければ、死ぬまで、歯が伸びて行く。
猫は爪を研ぐ。爪の鞘を引き離す。死ぬまで、爪が伸びて行く。



人間は自惚れる。いろいろ挫 ....
病室の窓を開けると

干し草の香り


夏休みの匂いがする

と女房は言った。
血塗られた常陸の土蜘蛛は
山の佐伯に野の佐伯
穴居
人が来れば窟(むろ)に隠れ
人が去れば野に遊ぶ
牧歌的な生活をする。

人と自称のわが鬼は
留守の窟に茨を敷き詰め
野に遊ぶ土蜘蛛 ....
初夏の夕暮れ

見舞いに来た僕は君と歩く
五階の病室から一階の売店まで
五階のエレベーターホールまで
病室から二〇メートルほど
エレベーターに二人で乗る
乗るときも手は離さない
三五年 ....
(知人)

友人ではないが、親戚ほど疎遠ではない。

最近は特に犯罪報道でよく見かける

匿名性を条件で被害者との関わりを能弁に語る者

推理小説の真犯人ではない。

現実の世界で ....
朝露に濡れた薔薇のつぼみよ

蕾の持つ美しさ

それは未来(あした)という一瞬の輝き

過去(きのう)は蓄積され

そして、沈澱してゆく

現在(いま)は消費され

過去の薄っ ....
耳元で囁く日常
猫がじっと目を凝らして
僕の眼をのぞき込む
だらだら歩いていた日常が
突然両手を上げて走りだす。
平穏に不満を述べている日常が走りだす。
大声を上げて

テレビの事件が ....
淡々と歩いて居た日常が
ある日叫び出す
テレビの中にあった非日常を
引きずり出し目の前に突き付けるために
それは突然現れる
非日常と現実を区別して居た
馬鹿馬鹿しさに気づかず
悲鳴を上げ ....
病棟の面談室で
並んで座った僕と君は
三五年前と同じで
とりとめもないことを話す

天井は低く殺風景な面談室
飾るものは作者不詳の風景画
部屋の隅のテーブルでは
患者を囲んだ四人がひそ ....

曇り空の夕暮れは
町を朱く染めることも無く
夜の闇が次第に
足元に絡みつく

足取りは重く
暗がりの多くなった街を
抜け出せることもなく
赤い提灯の灯りを頼りに
居酒屋の縄のれ ....
帰宅する

幹線のJRの駅から田舎電車に乗り換え
一五分ほど奥まった田舎の駅
そこが自分の住む家の最寄り駅である。
妻と子が二人、義父母二人
六人が暮らす自分の家だ

自分の父母は随分 ....
中二階の六畳間で
タンスの上の黒猫が奇妙なことをする。
長い舌を出しながら
タンスの上を転げ回るのだ。
そして突然畳の上に下りてきて
俺の目の前で長い舌を出し入れする
じっと俺の目を見つめ ....
今でも夢に見る

北斜面の崖
なだらかな傾きの崖

崖の上のお屋敷の、
裏手の急斜面から
空に舞い上がる自分を

空は樹木に隠れて半分
空は現実に隠され半分
半分の空に半分の自由 ....
鏨(たがね)を打ち込む

光沢のある表面に
一閃の傷をつける
堅固な光沢のある表面に
鏨(たがね)を打ち込む

切断する術は腕一つ
振り下ろす鉄槌の微妙な躊躇は
表面を滑り鏨(た ....
冬の下総台地の端に
小さな家一軒
剥き出しの枝と幹だけの
梨畑の中に
小さな家一軒

落葉高木の梨の樹
畑の樹は灌木のようで
海軍レーダーのように
針金が渡されている

白い季節 ....
ただのみきやさんの……とある蛙さんおすすめリスト(147)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
害虫- ……とあ ...自由詩8*14-10-17
その人の笑顔- ……とあ ...自由詩18*14-10-9
言葉と思い- ……とあ ...自由詩8*14-10-4
意識のリセット- ……とあ ...自由詩9*14-10-3
あさ- ……とあ ...自由詩9*14-10-1
あんみつ- ……とあ ...自由詩34*14-9-8
正義多面体- ……とあ ...自由詩13*14-9-2
ある人たち- ……とあ ...自由詩13*14-9-1
夏・陽射し- ……とあ ...自由詩12*14-8-18
夏・公園- ……とあ ...自由詩8*14-7-30
川が- ……とあ ...自由詩9*14-7-16
もうひとつの「夕暮れの病院」- ……とあ ...自由詩9*14-7-3
五年前の紫陽花の花は- ……とあ ...自由詩16*14-6-30
孤独- ……とあ ...自由詩8*14-6-24
みせもの- ……とあ ...自由詩9*14-6-16
齧歯類- ……とあ ...自由詩9*14-6-15
朝の病院- ……とあ ...自由詩11*14-6-10
土蜘蛛- ……とあ ...自由詩10*14-6-6
夕暮れの病院- ……とあ ...自由詩11*14-6-4
何人??- ……とあ ...自由詩9*14-6-1
つぼみ- ……とあ ...自由詩17*14-5-20
非日常- ……とあ ...自由詩15*14-5-16
非現実- ……とあ ...自由詩10*14-5-14
面談室- ……とあ ...自由詩20*14-5-12
居酒屋幽霊- ……とあ ...自由詩11*14-5-8
不安−詩想との訣別- ……とあ ...自由詩17*14-3-27
中二階の黒猫- ……とあ ...自由詩18*14-3-7
空と自由- ……とあ ...自由詩12*14-2-24
鏨(たがね)を打ち込む- ……とあ ...自由詩14*14-2-21
梨畑- ……とあ ...自由詩14*14-2-14

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する