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いつかわたしが殺したあなたは真夏の池に眠っている
水天井を睡蓮の花で彩られ 綾なされあなたは
わたしが逢いに来るのをずっと待っている
その白い咽喉をのけぞらせ(わたしが愛したその咽喉仏)
しな ....
風の行方を知らないままで、


君は風を探している
風は君の唇にさえ宿っているというのに
それとも、それはどこか見知らぬ世界の風で


光がここに射してくる
草の穂の襞にも
僕の心 ....
それはひとつの水だった
ある日流れるようにわたしに注ぎ込んだ
それはひとつの風だった
吹き過ぎてなお心を揺さぶるのは


少女は春の花を摘む
長い髪を肩に垂らし何にも乱されることもなく
 ....
誰も知らない海でした、(けしてあなたのほかには)


舟は出てゆく
夏の入り江、あなたの瞳の奥を


白い鳥は羽根を休めることなく
空にすべる手紙


返事はいらない、ただひとこ ....
青い扉の向こうに
雪原が広がっている
かすかなノイズ
そのなかに紛れるように
一頭の白い馬
あれはあなたが放した淋しい夢だ


指で触れて
夢だと知りながら
その長い首を抱きしめる ....
だれもしらない庭にだれもしらないあなた
わたしたちは夢をみた
はつ夏のひかりのなかで
あれはあなたの花
ジャスミンのむせる匂いに
秘密めいたあそび くちびるの感触をおぼえた


だれも ....
ある日窓から花を投げた
あのひとが受け取ってくちびるに寄せてから
あのひとが好きになった 恋をした
みずいろの花 むらさきの花 そしてあかい花
あのひとはすべて受け取ってそっと胸にしまった
 ....
雨のなかの馬
時間さえ檻のなかに閉じ込められる
そっと名前を呼んだ
季節が過ぎて青いさびしさが満ちてくる


後ろさえ振り向かず駆けていこうとする
雫のビーズをまき散らす夢よ
どうか名 ....
山鳩の遠く鳴く朝
僕は旅に出る
心は遠く動いている
窓の向こう
あの坂を下った道に


風が梢をさやがせて
あれは空に向かって高鳴る心臓
緑の葉が一枚 また一枚
流されてゆく
風 ....
鳥が啼いてゆく
いつか、いつか、いつか、
赤い夕陽がしたたり落ちて
心を焦がす イタイホドニ


{引用=近づけばまた遠ざかり
遠ざかるとまた近づく
蜃気楼 日々は}

そしてまた ....
君の、夜明けの口唇に
葡萄の粒を含ませる朝
旅立つための翼をいだく
わたしの翼は白いだろうか
それとも燃えて血がにじんで赤く


葡萄の房に朝の雫がこぼれ
風が喜びを歌うとき


 ....
あの人は風だった
緑の髪をなびかせ瞳の奥に、あれは
夜明けの光をたたえて 水のようにやわらかい
あの人は風だった
わたしを見つめて笑う 流れる雲を空を映して


あの人は草だった
やさ ....
潮騒がさわいでいる
白い手のひらを翻しながら


あなたが光を浴びて笑う海辺です
わたしがまぶしそうに昼の月を探す
あなたが風に吹かれてたたずむ海辺です
わたしが泣きだしそうに砂に貝を拾 ....
たぶん、枯葉を踏んで
(小気味良いステップで)
たぶん、あなたの森を歩く


あなたの匂いがする森は
いつかどこかで歩いた道
頬を寄せると風が囁く


おはなしをしよう
ブランケ ....
ただのみきやさんの石瀬琳々さんおすすめリスト(14)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
七月の睡蓮の庭- 石瀬琳々自由詩7*18-7-23
アルカディア- 石瀬琳々自由詩9*17-7-21
水中花もしくはオフィーリア- 石瀬琳々自由詩10*17-4-25
あいしているの舟- 石瀬琳々自由詩10*16-9-27
白い馬(あるいは青い扉)- 石瀬琳々自由詩16*15-2-19
だれもしらない庭で- 石瀬琳々自由詩14*14-5-27
花ぬすびと- 石瀬琳々自由詩12*14-2-19
雨のなかの馬- 石瀬琳々自由詩18*13-7-18
山鳩の遠く鳴く朝- 石瀬琳々自由詩12*13-5-22
いつか、- 石瀬琳々自由詩10*12-11-21
朝の葡萄- 石瀬琳々自由詩9*12-10-18
緑の人- 石瀬琳々自由詩16*12-7-19
海辺にて- 石瀬琳々自由詩9*12-4-12
おはなし、森の- 石瀬琳々自由詩12*12-1-12

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